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海外で大流行中!?年末年始にぴったりの1年振り返りキャンペーン

佐藤 洋介 作成者: 佐藤 洋介 2023/11/20

みなさん、こんにちは。Brazeの佐藤です。2023年も残り1ヶ月ほどとなりましたが、どのような一年でしたか?ウィズコロナからアフターコロナ、日常生活が大きく変わった一年でしたが、個人的には侍ジャパンのWBC制覇が印象に残っています。

そこで本日は、そんな一年の振り返りや来年の抱負を考え始める方も多いこの時期ぴったりの「1年振り返りキャンペーン(Year in Review Campaign)」の事例をご紹介します。

アメリカ発の動画ストリーミングサービス「Peacock」

はじめに、アメリカ発の動画ストリーミングサービスPeacockの紹介です。Peacockは2020年4月に開始されたコムキャスト傘下NBCユニバーサルのサービスです。日本人には、テーマパークUSJを提供する合同会社ユー・エス・ジェイの親会社がNBCユニバーサル、と言うと、少し馴染みやすいかもしれません。

そんなPeacockですが、NetflixやDisney+とともに、動画ストリーミング市場急拡大の波に乗りユーザ数を拡大してきたものの、その解約率の高さが課題となっていました。複数の動画サービスを契約し、一気見をしては、違う動画サービスに乗り換えるといった消費行動が普及した影響もあり、2022年3月時点でのPeacockの月次解約率は9%。これは他サービスと比較しても一段と悪い数値を示していました。しかし、そこから巻き返し、1年後にはこの数値を5.7%まで引き下げるという成果を上げました(下画像赤線がPeacock)。

競合に乗り換えられずに、Peacockと顧客が繋がり続けるために何をすべきか?

解約率低下に向けた様々な投資を行う中で注力領域の一つが「1年振り返りキャンペーン」でした。今年1年、顧客がどのようなコンテンツを、いつ、どれくらいの時間視聴したかといったデータを集計し、Eメールでのメッセージングに織り交ぜることで、Peacockとお客様との繋がりがどれだけ深いものであるか、伝えるコミュニケーションを実施。

結果、キャンペーンは大成功!メッセージ未受信のユーザ群と比較すると、メッセージ受信者の月次解約率は20%低下、無料から有料へのアップグレート率は6%向上といった成果を叩き出し、売上にも大きな貢献をしました。

事例詳細リンク:https://www.braze.co.jp/customers/peacock-case-study

ニュージーランド最大級のロイヤルティポイントプログラム「AA Smartfuel」

ロイヤルティプログラムであるAA Smartfuelカードは、1,200以上の加盟店(ガソリンスタンドやスーパー・小売店など)での購入時にポイントを貯めることができ、ユーザーはガソリンなどの燃料購入やUber支払い時にそのポイントを利用できるサービスです。ニュージーランド人口が約500万人である中、月間利用顧客数は約100万人ほどと、国民の約20%が利用しているサービスで、同国では普及率が非常に高いサービスとなっています。

そんなAA Smartfuelですが、利用者数こそ多いものの、顧客からは単なる節約ツールとしてしか見なされていない現状に課題感を感じていました。

単なる節約ツールではなく、顧客との関係性を深めることに役立てられないだろうか?

その課題を解決するため、同社はAA Smartfuelならではのデータを用いて「1年振り返りキャンペーン」を企画。具体的には、1年間でAA Smartfuelが実現した節約総額を示し、実際にサービスを通じて割り引きされた金額を可視化する取り組みを行いました。

特に節約金額が大きいユーザには、その節約の成功を祝福し達成感を味わってもらうようなメッセージを送り、あまり節約が上手くいかなかったユーザには、どれだけの節約ポテンシャルがあるかを示すメッセージを送る、といったユーザの活用状況に応じたメッセージング出し分けの工夫も行いながら、サービス利用率を高めるようとしました。

また、このキャンペーンの最後には、最高2万ドル相当が当たる宝くじを用意。SNSで節約総額をシェアすることで、宝くじを追加で引けるような仕掛けも用意し、未利用者へのキャンペーン認知拡大も実現しました。

結果、キャンペーン期間中に、過去最大のアプリセッション数を記録するとともに、新規アプリユーザー数 115%増、MAU 16%増といったビジネス成果を創出すると共に、サービスの価値を多くの人へ正しく伝えることに成功しました。

キャンペーン準備で考慮すべき2つのポイント

さて、2つの事例、いかがでしたでしょうか?これ以外にも、業界問わず、「1年振り返りキャンペーン」を実現してきたブランドは数多く存在します。



自社でどのように実行準備に取り掛かるべきか?考慮すべきポイントはズバリ2つです。

1.顧客にとって価値あるアクションに着目する

AA Smartfuelを例に取ると、ユーザが最もサービスに価値を感じる瞬間はいつか?それは紛れもなく、お得にお買い物できたその瞬間です。その瞬間を再度、思い出させるようなコミュニケーションは、サービスと顧客との繋がりの深さを思い出させてくれます。

2.データで競合と差別化する

サービスと顧客との関係性の深さを表現するには、自社しか持ち得ないデータ、即ち、ファーストパーティデータやゼロパーティーデータの活用が不可欠です。また、競合が持ち得ないデータの活用は、それ自体が競合と差別化されたコミュニケーションとも言えるでしょう。

印象に残る顧客体験を一緒に作りませんか?

一年振り返りキャンペーン、いかがでしたでしょうか?

もうすぐ年末ですね。これらの事例から、年末年始向けキャンペーンのインスピレーションを得て頂けたら、嬉しく思います。また、年末年始には間に合わなくとも、新学期が始まる4月や、ユーザ利用開始1年記念日といった、顧客にとって特別なタイミングは、まだまだたくさんあるかもしれません。

あなたのブランドでは、どのような「1年振り返りキャンペーン」がお客様の心に響くでしょうか?

お客様の心を捉えた印象に残る顧客体験を、是非一緒に作っていきましょう!



佐藤 洋介

佐藤 洋介

アクセンチュアを経て、2022年5月にBraze入社。ストラテジックビジネスコンサルタントとして、お客様の成功とBrazeの成長を楽しみに働いています。

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