CASE STUDY


cocoloniが占いサービスの理想を追求する手段にBrazeを選択。より精度の高いパーソナライズでLTVの向上へ

ユースケース:

4倍 おすすめ情報のパーソナライズでのCVR向上率

課題


デジタルコンテンツ、オンライン鑑定サービス、リアル店舗、アライアンス事業など、多岐にわたる占い事業を展開するcocoloniは、創業時からコンテンツの制作・提供を主な事業としており、提供先にいるユーザーにいかに楽しんでもらうか?という知見は豊富にありました。事業の拡大を図るにあたって、ユーザーが占いに触れる時間を増やしていくことが必要で、一人ひとりのユーザーインサイトの把握、その上での施策実現ができるツールを探していました。

戦略


cocoloniが実現したい世界観である個々のお悩みに寄り添ったOne to Oneマーケティングを行うために、様々なツールを模索している中で、設計思想として親和性の高そうなBrazeを導入することに決めました。より精度の高いパーソナライズを実現するために、コンテンツカードやカタログを使い、おすすめ占いの出し分けを実施。またメールとLINEを組み合わせたマルチチャネルのコミュニケーションも積極的に取り入れました。

効果


サイトに訪れたユーザーそれぞれのインサイトを把握した上で、レコメンドや案内、お知らせを出し分けることで、コンバージョンは高まり、ユーザー体験の質の向上にも寄与。サービスを長く使っていただき、LTVの向上への足がかりにもなっています。

最初に御社の事業内容、特徴を聞かせてください。

時系列でお話すると、zappallasグループは占いのコンテンツを制作し、プラットフォーマーに提供するコンテンツプロバイダーとして成長してきた会社となります。最初は携帯電話キャリア向け、そしてISP向けに提供を行っておりました。ですが、通信環境、デバイスなどテクノロジーの進化に合わせて、自分たちからもエンドユーザーに直接届けられるビジネスモデルが必要だと考え、さまざまな占いコンテンツを直接提供するプラットフォーマーへと事業を進化させて来た経緯があります。cocoloniの事業の中でも最大規模のプラットフォームが「cocoloni占い館」で、これは占いコンテンツの都度課金を中心としたサービスになります。

占い関連のサービスのなかで、差別化のポイントは?

約20年前から占いコンテンツを制作・提供してきた実績、蓄積したノウハウ、ネットワークが強みではありますが、同じ市場内での差別化は重要視しておりません。重要なのは「ユーザーの可処分時間をいかに占いコンテンツに使ってもらうか」。それが増えれば必然的に市場全体のパイが大きくなるし、当社の利益拡大にもつながるはずです。なので、マーケティングの競争相手は漫画、アニメ、ゲーム、音楽などのコンテンツと考えています。


占いのプラットフォームビジネスを展開する上で、マーケティングに関してはどんな課題があったのでしょうか。

(今回Brazeを導入したcocoloni占い館ではなく)著名な占い師が監修する月額制の占いサービスの場合、結婚や恋愛に強い占い師、金運で評価の高い占い師など、占い師の特性に合わせて、そのジャンルに興味関心がある人、特定の占い師のファンが一定の確率でコンバージョンします。そのため、サイトごとに最適なマーケティング施策を打ちやすいのですが、いろんな占い師が混在するプラットフォームだと、訪れた人が何に興味関心があり、どんな占いを求めているのかが見えづらい傾向があります。どうやってインサイトを把握し、個々の訪問者に最適なアプローチをするかが大きな課題でした。

また、恋愛や結婚の悩みはセンシティブで、人によって濃淡があり、今日は「出会いがない」と悩んでいた人が、次の日は「昨日の飲み会で一緒だったあの人から返信がない」となるなど、悩みの質も移り変わります。世の中のマーケティングツールの多くはCTR、CVRという数字だけをみて正解を導こうとしますが、占いは悩みの質がどんどん変わるため、CTR、CVRだけでは最適化できないケースが多々あります。数字ではなく人を見なくてはいけないのです。

溝上 雅俊氏 株式会社cocoloni 代表取締役
溝上 雅俊氏 株式会社cocoloni 代表取締役

その課題を解決するためにBrazeを選択されたということですが、理由を含めて選定に至るまでの経緯を教えてください。

企業経営の最重要KPIをLTV(Life Time Value)と位置づけています。今月だけ3万円払ってもらうより、1000円を30か月払ってもらうほうが、ユーザーの生活により寄り添えているサービスと言えますよね。前述したようにユーザーの悩みの内容はどんどん変化していきます。必要なのはサイトを訪れた個々のユーザーのログデータ等をもとに、今、この人の悩みや関心はどこに向かっているのかを推測すること。パーソナライズされたレコメンドを行い、いつでも「このサイトに来れば欲しい情報がある」と思ってもらうことで、占いに費やす可処分時間が増え、LTVが向上する。そんな流れをつくるにはCRMツールが必須となり、いくつか検討した結果、Brazeを選びました。

第一印象で、数字ではなく人にアプローチするという、我々の思想との親和性の高さを感じましたし、UI/UXがよく考えられている点や、マーケターだけで作業が完結する部分が多いのも魅力でした。サイト内のABテストなど表示機能が得意、裏側のデータ解析が強いというツールはありますが、Brazeは両方を高いレベルで備えていて、誰に、何を、いつ、どういう見せ方をするかまで最適化することが可能だと感じました。我々の目指す世界観に近い機能を持っていると思ったのが、選定の決め手になりました。


Braze導入後、どんな体制で、どんな施策を行ってきたのでしょうか。


都度課金型を中心としたプラットフォームビジネスを統括する、プラットフォームディビジョンのマーケティング部門で利用しており、専任のマーケターを中心に、エンジニアやデザイナーが必要に応じて携わる体制です。具体的な施策としては、cocoloni占い館のトップページ、おすすめ枠での表示があります。サイト内での購買データを機械学習のプログラムにかけ、結果から購買予測データを導き、ユーザーIDごとに10個のおすすめ占いメニューと紐づけます。そのデータをBrazeカタログに取り込み、Brazeコンテンツカードを使ってユーザーIDごとに最適化した情報提供、レコメンドができるよう取り組んできました。

cocoloni占い館のトップページのおすすめ枠
cocoloni占い館のトップページのおすすめ枠


施策の成果について教えてください。

導入当初は、最新の購入履歴をもとにBrazeコンテンツカードでおすすめメニューの自動表示を行っていました。ですが、パーソナライズの粒度を高め、Brazeカタログを使い(以前のおすすめ枠と比較した)ABテストを行ったところ、初日はCVRが24倍になっていました。また、平均値をとっても、4倍程度の効果がありました。今、この瞬間の悩み、占って欲しいことに関する情報をタイムリーに表示することができるかどうかがこのサービスの要だと思っていますので、引き続き丁寧に続けていくつもりです。

BrazeのLINE Webhookも利用されているとうかがいました。

購入動線の途中で離脱したユーザーに対して、メールを送信しているのですが、今はセキュリティ意識の高さからメールを開封しないユーザーも一定数います。そういうユーザーに対して、LINE webhookでメッセージを送るというものです。メールだけだった頃と比較して売り上げは1.5倍となり、手ごたえを感じています。

Webhookで送信しているカゴ落ちLINE
Webhookで送信しているカゴ落ちLINE


導入後の、Brazeに対する社内の評価を聞かせてください。

データにもとづいて最適化した、One to OneのコミュニケーションでLTVを高めることが重要だと、より強く確信できるようになりました。CTR、CVRの最適化路線だと特定のコンテンツに集客が集中しがちですが、パーソナライズにより個々のユーザーが求める情報を提供し、コンテンツも分散化できるようになっています。売上げ偏重の解消は占い師の方々にとってもメリットになるため、重要なポイントです。実務的なところでは、マーケターが直感的に使えるUI/UX、丁寧なサポート体制などが現場で高く評価されています。


今後のビジネス展開、Brazeに期待することを最後に聞かせてください。


データの蓄積と分析でユーザーが求めるものを予測し、あらかじめ用意しておいたメニューをロジックに合わせて提供するのが、デジタルコンテンツのマーケティングでした。今後、より満足度を高めるには、個々のアクションに対してリニアに反応する仕組みが必要です。占いの場合、アクションから悩みを読み解き、動的にシナリオを生成し、個々のユーザーの「今」に最適化した情報提供ができれば満足度をさらに高められるでしょう。それにはAIの利用が欠かせません。占い師とリアルに対面し、占ってもらっている場を疑似体験できるサービスに、AIを使って成長させたいと思っていますし、実現すればLTVの向上にもつながるはずです。そんな、進化したOne to OneマーケティングはBrazeの思想とも重なるのではないでしょうか。一緒にいろんな挑戦を続けていきたいですね。

個々のユーザーに最適化したレコメンドができるようになり、特定コンテンツのみならず、多様なコンテンツをユーザーに届けやすくなりました。Brazeがあるから実現できたことだと思います。

(左から)株式会社cocoloni 代表取締役 溝上 雅俊氏、プラットフォームディビジョン プラットフォームマーケユニット ユニットリーダー 佐々木里依子氏

Braze導入によるビジネスインパクトに関しては、今後、成長を期待している部分もありますが、ユーザーに対しては、ピンポイントで情報を提供できるようになってきています。その結果、cocoloniが理想としている姿に着実に近づいてきていると感じています


溝上 雅俊氏

株式会社cocoloni 代表取締役

cocoloniの成果

コンテンツカード、カタログ、LINE webhookなどの機能を使うことで、適切なタイミングで、適切な情報の出し分けが可能になり、LTV向上の手応えを感じています。

4倍 おすすめ情報のパーソナライズでのCVR向上率
1.5倍 メールとLINEを組み合わせたコミュニケーションでの売上向上