CASE STUDY


グラニフが、店舗とオンラインの顧客基盤を構築。Brazeを活用した顧客起点のコミュニケーションで顧客体験を向上、大幅に離反率改善
10倍 離反防止クーポン利用割合

課題


顧客基盤が存在しなかったため、お客様へのコミュニケーションの一貫性が十分に保てておらず、中長期な売上貢献に問題がありました。また、顧客基盤の不在はeコマースチームを初め、さまざまな部門に作業負荷を産み、オートメーション化やデータドリブンな施策展開に課題がありました。

戦略


店舗とオンライン共通の会員基盤構築が完了。さらにこの顧客基盤に対するカスタマーエンゲージメント施策を強化させることで、LTVを最大化させ、ファン化を進め、中長期の売上を最大化することを目指しました。

成果


顧客離反を防止するクーポンの利用割合が10倍増。特に短サイクルで購入を繰り返すリピーターが増加し、LTVの本年目標はすでに達成、さらに増加傾向を示しています。既存のお客様へのきめ細やかなフォローを展開し、離反率が改善傾向となりました。

グラニフはどのような会社で、どのような事業展開をしていますか?

グラニフはTシャツや雑貨をキャンバスに、お客様が共感してくれるグラフィックを通じて、お客様の生活と暮らしを豊かに彩りたい、と願うブランドです。創業はプリントTシャツの製造・販売から始まっていますが、2021年9月に「グラフィックライフストア」へのリブランドを実施しまして、現在はTシャツ以外のアパレルアイテム・シューズのほか、雑貨やアウトドアアイテムなど生活の様々なシーンに対応できるよう商品ラインナップを広げています。

グラニフのユニークなところは、多くのアパレルの場合、お客様同士で同じデザインの服を着た人に遭遇すると、少し気恥ずかしい気持ちになることがありますが、グラニフのお客さま同士だと同じデザインを着ている人に出会うと「私たち、分かってるよね!」とハイタッチしそうになるくらい、逆に気分が盛り上がってしまう様なブランドです。

グラフィックの持つ強さと共感、グラフィックが創り出す強い絆やコミュニケーション。それがグラニフのブランドであり、熱狂的なファンを産み続ける力の源泉だと思っています。

Brazeを活用する組織の体制を教えてください。

私たちeコマースチームは6名体制で、オペレーションとデジタルコミュニケーションの2つのチームで構成されています。前者が EC 運営に関するオペレーション、商品情報の整備や商品画像の収集、クリエイティブ制作などを業務とし、後者がお客様とのコミュニケーションや集客等の最適化を図るためのチームで、こちらで Braze を活用しています。

デジタルコミュニケーションチームでは新規のお客様獲得に向けた広告運用や既存のお客様に向けたメルマガ、アプリプッシュ等、販促的な施策を展開しつつ、Braze Canvas を活用してカスタマーエンゲージメントの自動化と最適化を行っています。こちらは現在、2名体制で対応していますが、内部のリソースの最適化や外部の視点を施策を活かすという意味で、パートナー企業様のご支援もいただきながら、業務を進めています。

株式会社グラニフ EコーマスDiv.ゼネラルマネージャー 髙松 貴宏氏

eコマースチームの方々の業務内容について教えてください。

メンバーの一人は記事コンテンツの企画や作成などを進めつつ、メルマガにしてお客様に届けたり、アプリのプッシュ通知などを担当しています。Braze を実際に触り初めて、約1ヶ月で通常業務として、施策展開できるようになりました。Braze のユーザーインタフェイス(UI/UX)はとても使いやすく、専門のIT技術も必要なく、ノンコードで設定できるのがその理由です。

また、マーケティングに必要なウェブサイトやアプリ、EC サイトをデザインするデザイナーにも協力をしてもらっていて、EC に掲載するための商品情報や写真などを揃えながら、Brazeの施策に必要なバナーデザインをしたり、アプリ内メッセージ(In-App Message)の運用まで行っています。

カスタマーエンゲージメント施策展開に向けた環境整備について教えてください。

Braze を活用する前は店舗とオンラインで共通の顧客基盤が存在していませんでした。現在は店舗とオンライン共通でご利用いただけるアプリの会員証が顧客基盤となり、brazeと連携しています。グラニフのお客様は実際に実物を店舗で確認して購入したいというお客様もいらっしゃいますし、多忙で外出先からオンラインで購入したいというお客様もいらっしゃいます。お客様のニーズ合わせ、かつ、一貫した購買体験を提供するには統合された顧客基盤がとても重要です。実際に店舗とオンライン、クロスチャネルで購入されるお客様はLTVが高く、店舗側もオンライン側も配送や在庫といった面で十分な協力体制があるため、そのシナジー効果も高いと考えていました。

オンラインでご購入いただくお客様の9割は会員登録をいただいております。店舗で購入されるお客様でも6、7割は会員証を提示してご購入していただけていますので、多くのお客様のお取引情報を活用できる状態にあります。

株式会社グラニフ EコマースDiv.オペレーションSec. UI/UXデザイナー 西垣 菜摘氏

Brazeを導入した背景を教えてください。

顧客基盤が統合されたので、このデータをさらに活用し、カスタマエンゲージメントを高度化し、LTVを最大化させたい、これがカスタマーエンゲージメントプラットフォームを導入しようとした背景です。様々なシステムを検討した結果、導入範囲やグラニフのビジネスとの相性などの点から、Braze の採用が決まりました。Braze はマーケティングオートメーションや配信といった面で、十分な機能性を備え、他のシステムとも疎結合で連携しやすく、変化に強く、柔軟性が非常に高いシステムだと認識しています。

オンラインでの顧客体験の変化について、具体的に教えてください。

オンラインでのお客様の閲覧状況や購買に至る履歴などは Amplitude というクラウドサービスで集計、分析を行っています。Amplitude で魅力的と思われるユーザセグメントを切り出し、Braze に連携させ、施策を展開していくようなアプローチを行っています。例えば、ドラゴンボールのような特定のアニメキャラクター商品を販売する場合、デザインジャンルというカテゴリーがあるのですが、Amplitude で「アニメ」ジャンルを閲覧した人や実際に購入いただいた属性を抽出し、1クリックで Braze に連携させ、カスタマーエンゲージメントに活用できます。さらに Braze の Audience Sync (オーディエンス連携)という機能で、Facebook に同じターゲットセグメントにそのまま広告配信ができるような仕組みを整備しています。グラニフが持つファーストパーティーデータだけで、キャンペーンが成功できれば良いのですが、レコード数という意味で難しい面があります。Braze を経由して、Facebook にいる同じような属性、さらにそこから拡張したターゲットへの広告配信もできるため、キャンペーンの成功確率を向上させることができます。

カスタマーエンゲージメントの効果を高めるために必要なポイントは?

お客様への一貫した体験をお届けするにはシステムがバラバラだとそれぞれ別のコミュニケーションが発生してしまいます。例えば、おすすめ商品がECサイトとアプリやメルマガで異なるものが推奨されると、ブランドへの不信感へと繋がり、さらにそれらが重なると、お客様はブランドから離れていってしまいます。こうした状況を避けるため、自社が持つファーストパーティーデータを活用したカスタマーエンゲージメントは Braze に集約し、メール、ウェブ、アプリ、LINE、プッシュ通知、コンテントカードなど、多チャンネルでも常に一貫したコミュニケーション施策を展開しています。

株式会社グラニフ EコマースDiv.デジタルコミュニケーションSec. 下原 夕美氏

Braze導入に関する経営の期待値とマーケティングの対応は?

お客様の体験価値を上げ、グラニフというブランドのファンを増やし、そして、長期的に根付いて欲しい。それが私たち自身のブランドを強くすることとなり、永続的なビジネスの安定性に繋がります。マーケティングの目線で言えば、早いサイクルでリピーターになっていただけるか?というと分かりやすいかもしれません。新規のお客様という意味では2回目の購入率を高めること、継続のお客様に関してはお客様に心地よい体験をいただき、早いサイクルでの再購入を促進し、LTVを高めていくことがポイントです。Braze導入後、半年ですが、かなりの手応えを感じています。

今後の展開を教えてください。

Braze を活用できるシーンはまだまだ沢山あると感じています。Braze のUI/UXはとても優れているので、操作しているうちに、Gmail 向けのメールカルーセル画像表示機能であったり、生成AIによるメッセージ作成など、様々な機能を発見することも非常に多いです。直近では Intelligent Timing というメッセージの配信時間をAIが最適化してくれる機能の活用を進めたいと思っています。また、コミュニケーションチャネルの最適化やA/Bテストの深掘りなど、最適化すべきポイントも多くこれからどこまで改善できるか?とても楽しみです。

それから Braze を活用しながら、グラニフのデジタルマーケティングを一緒に作り上げる仲間を増やしたいと思っています。私たちのコンテンツとデジタル基盤を活用して、もっともっとグラニフのファンを増やしていきたい。知的好奇心に溢れ、斬新なマーケティング施策を展開してみたいという方、ぜひ、グラニフを職場としてもご検討ください!

Braze の活用で、様々な良い効果を実感し始めています。コミュニケーションチャネルの最適化やA/Bテストの深掘りなど、お客様起点のコミュニケーションを通じ、グラニフのファンを増やしていきたいと思います。


髙松 貴宏 氏
株式会社グラニフ EコマースDiv ゼネラルマネージャー

グラニフの成果:

クーポン利用割合が10倍増。短期的なリピーターが増加し、LTVの本年目標はすでに達成、さらに増加傾向を示しています。既存のお客様へのきめ細やかなフォローを展開し、離反客が改善傾向となりました。

10倍 クーポン利用割合
LTV達成 本年目標はすでに達成、さらに増加中
離反率改善 きめ細やかなフォローで順調に改善中