CASE STUDY


令和トラベルがユーザーの嗜好を捉えたパーソナライズ施策等で売上4倍に貢献
4倍 売上

課題


高額商品である海外旅行を購入してもらうためには、パーソナルマーケティングが必須だと考えていたものの一斉配信のみで、施策の取り組みが十分とはいえない状況でした。また、種類が膨大かつ価格の変動性が高い商品を取り扱う中で、配信内容を作るにも時間や労力がかかり、週1〜2本の配信が精一杯。オペレーションの効率化を図ることも課題となっていました。

戦略


ユーザーの嗜好に合ったコンテンツを適切なタイミングでのコミュニケーションを、しかもパーソナライズされた形で展開し、ビジネス成果に繋げる取り組みを行いました。また、マーケターの創意工夫を引き出す仕事環境をエンジニアの協力の元、Brazeで整備、仕事のムダを減らし、生産性を向上させました。

成果


Brazeの活用により配信効率が大幅に改善。配信数を導入してから約2年間で約20倍弱に増やすことができました。また、配信数が増えたにも関わらず、開封率は維持され、メール経由のコンバージョン率も直近2倍に改善向上しているのは、パーソナライズが効果を発揮していると考えています。売上が前年の4倍になるなど、事業の成長にもBrazeが貢献しました。

令和トラベルの事業概要を教えてください。

海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』を運営する令和トラベルは、「あたらしい旅行を、デザインする」をミッションとして2021年4月に創業したデジタル総合旅行代理店です。具体的には、海外旅行における航空券とホテルがセットになったパッケージツアーと、海外ホテルを予約できるサービスを提供しています。弊社が実現したいのは、海外旅行業界のデジタルトランスフォームを徹底的にやりきること。テクノロジーを活用して「かんたん・えらべる・おトク・あんしん」な、あたらしい旅行をデザインしていくことをミッションとしています。社員はエンジニアが最も多く、マーケター、商品企画、トラベルコンシェルジュ、バックオフィスなど、62名のフルタイムメンバーがいます(2024年9月現在)。

創業して数年、マーケチームとしてはどんな課題を感じていましたか?

もともとはすべてのお客さまに対し、一斉配信のみを行なっていました。当時はセグメント設定もしていなかったのですが、サービスの利用率を上げるためにパーソナライズはするべきだと考えていました。海外旅行というのは費用もかかりますし、休暇も取らなければなりません。一緒に旅行する相手とも予定を調整する必要があるため、検討時以外の訴求は基本届かないと思っています。積極的な検討で購入される商品なので、全体で配信一本というやり方では結果につながりにくいと感じていました。それぞれのお客さまの検討タイミングにいかにNEWTで比較検討してもらえるか。この状況を改善することが課題でした。また、オペレーションの効率を上げたいという思いもありました。数万以上と膨大なツアー商品を取り扱う中で、タイトル、画像、詳細情報を揃えて入稿するという業務には手間も時間もかかり、週1〜2本の配信が精一杯でした。

Brazeを選んだ理由は何ですか?

ひと通りの競合製品を比較してみましたが、弊社はアプリとWebでサービスを展開していることから、どちらにも速やかな対応ができるCRM/MAツールとしてBrazeの導入を決めました。お客さまの行動や嗜好をリアルタイムで把握して、一人ひとりの状況に合わせたパーソナライズができ、ABテストやシナリオ設定を直感的に行えるという印象を持ったことも理由です。また、機能面だけではなく、企業価値の観点からもBrazeがベストだと思いました。将来的に令和トラベルはグローバル規模で展開したいと思っているので、利用するツールも含め、グローバルで成功している企業と接点を持ちたいという方針を貫いています。そのためBrazeがニューヨークで創業されていることや、世界のトップ企業がBrazeを利用し、評価していることも導入の決め手になりました。

株式会社令和トラベル マーケティングCRMチーム マネージャー 豊田 麻未 氏

導入後、どんな体制で取り組まれているのでしょうか?

正社員のマーケターとしてはわたしが主担当で、ほかにプロパートナーと呼んでいる業務委託の方、インターン生などが連携し、開発チームが適宜サポートしてくれるといった体制です。最初のデータを取り込むところから開発チームと話し合って決めましたし、導入直後は、そのイベントをどういう取り方をしたらキャンバスキャンペーン側で設定できるのか、どの情報を属性情報に反映させるべきか?など、迷逐一開発チームと擦り合わせ相談してきました。現在もAPI連携で流し込んだ情報について、設計の仕方やデータ構造、どの内容を抽出するとより効率的かなどを、こまめにやり取りしています。私からは事前にデータ活用の目的や希望条件を可視化して、開発チームへ共有することで、チーム間で連携を取りながら実現するための提案、実装に繋がっています。

実際にBrazeをどのように使われていますか?

全体配信とトリガー配信に活用しています。例えば、ハワイ旅行の予定を組もうとしているお客さまに、おすすめのハワイツアーをご案内したり、申し込み画面まで行ったけれども完了に至らなかったお客さまにリマインドのメッセージを送ったりと、Brazeのキャンバス機能を使って、それぞれが検討したタイミングや反応に合わせて予約につながるような配信設計に注力しています。開封率とクリック率を確認しながら、仮説に基づいたABテストを繰り返して、効果的なタイトルを検証したり、どの画像の反応がよいかを見たり、キャンセル無料など訴求したい軸を定めたりと、いわゆる「誰に(Who)」「何を(What)」「どうやって(How)」の最適解を探るためにBrazeを活用しています。

Brazeによって得られた効果を教えてください。

配信効率が大幅に改善しました。いままでメルマガ1本を仕上げるために画像や文章を整えるのに45分ほどかかっていたところが、いまは1/3に圧縮できました。理由としては、Brazeとコネクテッドコンテンツを利用した弊社のAPIを連携して商品画像を動的に出せるようになったことが挙げられます。Brazeのカタログ機能は出したいツアー、出したいホテルを可変的に編集する際に、とても使い勝手がよく重宝しています。結果、全体配信が週5、そこに加えてトリガー配信がプラス…となり、配信数は約20倍に増やすことができました。しかも配信数が増えたにも関わらず開封率は維持されていて、コンバージョン率も上がっているのは、パーソナライズが効果を発揮しているためだと考えています。実際、全体配信に比べてトリガー配信は開封率が5〜7ポイント高いです。ありがたいことに今年の売上は前年の4倍になるなど、サービスとしても大きく成長しています。経営戦略の一端をBrazeが担ってくれたと感じます。

今後のビジネス展開や、Brazeのさらなる活用についての計画がありますか?

国内旅行も取り扱いたいですし、ホテルだけではなく航空券単体の販売、インバウンドの対応など将来的にはグローバル展開も検討しており、CRM/MAを使う領域はより広がっていくと思います。また、これまでは売上高を伸ばすことに全力を注いできましたが、現在は情報の質を高めるべく仮説検証を進めています。ハワイのツアーを検索した方は、ただ検索しただけなのか。日程まで入れていたのか。あるいは予約画面まで進んだのか。どのタイミングで訪れて、情報を受け取って、コンバージョンにつながったか。一度検討したツアーを再度押すのがいいのか、もしくは新しいツアーを提案するのが良いのか。正解はわかりませんが、お客さまの声を聞いたり、お客さま単位での分析の精度を高めて、顧客満足度を上げていくことが現在のステップです。リアルタイムでお客さまを理解できたり、ダイナミックなパーソナライゼーションができたりというBrazeの特徴を活かして、リコメンデーションにも着手したいですね。リピーターを獲得していくための顧客体験の向上にBrazeをさらに活用したいと思っています。

顧客満足度を上げていくために、具体的な施策も考えられていますか?

多くのお客さまにとって海外旅行は1〜2年に1回程度の特別なイベントです。売上に直結するという面から「旅前」のコミュニケーションが注目されがちですが、「旅中」「旅後」でも顧客満足度を上げていくことができます。例えばBrazeの天気情報を活用する外部サービスと連携すれば、現地の天候に合わせたアクティビティの案内などもできると思いますし、滞在中にもお客さまに喜んでもらえるような情報をお届けできると思います。そしていま海外旅行を検討していないお客さまに、NEWTを思い出してもらえること、忘れられないようにすること。販促一辺倒ではない、興味関心に合った記事コンテンツをお送りしたり、お客さまの嗜好をうかがた上での打ち手、など考えています。

Brazeの導入を検討している企業にアドバイスをお願いします。

キャンペーン、キャンパス、カタログ、コネクテッドコンテンツ…とここまで効果的に使いこなしている企業はないとBrazeの担当者にも言われたほど、弊社のデータ構造は複雑です。その上、元々はシステムや知識がなかったので、初歩的なこともゼロから親切に教えていただき、いまではだいぶ効率的に対処できるようになりました。導入時の反省をシェアすると、Brazeの機能を応用できないまま進めてしまい、Brazeの機能を十分に活用できず、結果的に非効率なデータの蓄積が発生しました。事前に適切な調査を行っていれば、データ基盤も整理され、分析しやすかったと思います。最終的には、ほとんどすべてを再構築する必要がありましたが、その経験は重要な教訓となりました。

データの取り込みでだけではなく、施策の設計も含めて、エンジニアチーム、プロダクトサイドと二人三脚で進めることをお勧めします。マーケターとエンジニアがタッグを組むことで、ビジネスにも良い影響があるはずです。

最後に仕事のやりがい、楽しさについて教えてください。

Brazeは、データを取り込んだあとのセグメント化、オーケストレーション、パーソナライズ、アクションまで、マーケターが全体を俯瞰して見ることができ、一気通貫で完結するので、とてもスピーディです。


Brazeを活用するようになって実感しているのが、行った施策の結果がすぐに出ること。PDCAを高速回転させて、次から次へとどんどん手を打っていくことにやりがいや楽しさを感じています。


豊田 麻未 氏

株式会社令和トラベル マーケティングCRMチーム マネージャー

令和トラベルの成果

デジタルをコアとした総合旅行代理店を目指す中で、適切なタイミングとパーソナライズ配信を重要視し、ユーザー属性に合わせたメッセージを配信することで、クリック率は増加、コンバージョン率は約2倍になりました。

4倍 売上(前年対比)
20倍 配信数
2倍 コンバージョン率