小売業やeコマースのユーザーの86%は、ログインせず企業のアプリやウェブサイトを利用する匿名ユーザーです。匿名ユーザーは、全体の売上の12%を占め、ログインして購入するユーザーと比較して、1週間以内に購入する確率が58%高いです。
2019年から2021年にかけ、Brazeは 100以上の小売・ECアプリのアクティブユーザー25億人を対象に調査と分析を行いました。業界における匿名ユーザーの重要性が明らかとなり、ユーザーの活性化、維持、収益を促進するために、この領域にフォーカスする必要性を明らかにしました。匿名ユーザーとのエンゲージメントは、顧客獲得コストの削減やブランドのファーストパーティーデータ収集活動の強化につながり、オーガニックグロース戦略として効果的です。
匿名ユーザーを将来の顧客にするための7つの施策をご紹介します。
匿名ユーザーを獲得、維持し、収益化する7つの施策
#1:アカウント作成のメリットを訴求する。
状況: ウェブサイトやアプリの訪問者が、アカウントを作成しないまま、ウェブサイトを閲覧し、アプリを使っています。この匿名ユーザーにアカウント作成してもらうことで、欲しいものリストの作成、商品のお気に入り登録、注文履歴の管理など、すべての機能を使ってもらい、アプリやサービスから受け取れるメリットをもっと享受してもらう。
施策: アプリ内メッセージ(IAM)、コンテンツカード(アプリ内広告)、ブラウザ内メッセージ(IBM)などの製品内メッセージを通じ、アカウント作成のメリットを伝え、匿名ユーザーにアカウント作成を促します。
#2:無料トライアルでオプトインを促進する。
状況: アカウントは持っていないが、頻繁にウェブサイトに訪れているユーザーに、自社の定期購入サービスを試して欲しい。
施策: 全てのユーザーに画一的に無料トライアルのオファーを提示するだけでなく、さまざまなチャネル、コンテンツ、デザイン、メッセージの配信時間などを試し、最適な組み合わせを見つけ、無料トライアルのコンバージョン率を上げましょう。ブランドの価値をうまくアピールすれば、ユーザーが有料会員になる確率は高くなります。
#3: アンケートを実施して、顧客の好みを把握する。
状況: ユーザーの好みや製品・サービスに対するフィードバックを簡易的に収集し、製品やメッセージの改善、コンバージョンの改善を行いたい。
施策: アプリ内メッセージ(IAM)やコンテンツカード(アプリ内広告)などの製品内メッセージ機能を活用し、匿名ユーザーに自分に関するデータを追加するように促します。
また、アンケート結果からインサイトを導き出し、顧客体験が向上することを伝え、ブランドと情報を共有するメリットを伝えることが重要です。
#4:メッセージ送信の許諾、オプトインを増やす。
状況: ウェブサイトやアプリにユーザーが訪問しても、すぐに離脱してしまうため、リテンションやLTVを高めるためにマルチチャネルでのコミュニケーションを行いたい。
施策: 匿名ユーザーに自社ブランドの最新情報を受け取るよう促すには、IBM(インセンティブベースマーケティング)やIAM(アプリ内メッセージ)を利用するとよいでしょう。顧客が自社からのアプローチを許容するか、十分な情報を得た上で判断できるように、そのメリットを説明することが重要です。
ウェブプッシュやプッシュ通知の準備方法、メールやSMSのマーケティングで顧客にオプトインを促すためのヒントなど、Braze では詳細なガイドもご用意しています。
#5: アカウント作成だけのユーザーの詳細情報を知る。
状況: アカウントを作成したものの、プロフィール、支払い方法、アプリの設定などの詳細情報の未入力が多い匿名ユーザー(オンボーディング未完了ユーザー)に情報の追加、更新をして欲しい。
施策: Eメール、モバイルプッシュ、Webプッシュ通知を使って、オンボーディングプロセスの完了を促します。その際、フローで中断したステップに直接リンクを張ることで、完了をさせやすい環境を作りましょう。
#6:匿名ユーザー向けの限定スペシャルオファーを実施する。
状況: 匿名ユーザーがウェブサイトから離脱しそうでも、それを防ぐ手立てがない。
施策: ウェブサイトを離れる前に、匿名ユーザーに限定特典を含むユニークなプロモーションを強調するIBM(In-Browser Messaging)を表示します。
#7:興味に基づいた季節のキャンペーンを行う。
状況: パーソナライゼーションの重要性は理解しているものの、ユーザーのデータが足らず、理解も進まず、どうパーソナライズすればよいのか、わからない。
施策: Braze SDKが自動的に顧客インサイトを収集するため、匿名ユーザーであってもアプリやウェブサイトの体験をパーソナライズするのに十分なデータを取得できます。
IAM、コンテンツカード、IBMを利用し、デバイスの位置、言語、国、タイムゾーンなど、利用可能なデータに基づき、匿名ユーザーの体験をパーソナライズしましょう。
匿名ユーザーに対する施策のROIを確認する
急速に変化する小売業界に対応するため、ブランドは匿名ユーザーとの関わり方を見直す必要があります。Brazeの調査によると、匿名ユーザーと長期的な関わりを築くブランドは、投資対効果を最大化でき、ビジネス成果に直結します。詳しくは、2023年カスタマーエンゲージメントレビューをご覧ください。