時代が高速に変化する中、顧客とのコミュニケーションはマルチチャネルとなり、よりパーソナライズされることが、必要不可欠となっています。顧客はブランド体験に対し、これまで以上の期待を寄せています。デジタル主導のリアルタイムなオンデマンドブランドの施策がこの基準を年々、引き上げています。顧客の時間、お金、関心を得るためには、同業他社だけでなく、あらゆるブランドと戦う必要があります。
しかし、この課題に対し、やみくもに取り組むことは生産性という意味で、得策ではありません。マーケターは、各メッセージングチャネルの強みと弱み、特性を理解し、総合的な戦略を立てる必要があります。この投稿では、グローバルな消費者が異なるメッセージングチャネルとのやり取りをどのように行っているか、その状況をプラットフォーム、業界ごとに閲覧できるツール、Brazeベンチマークレポート をご紹介します。
Brazeベンチマークレポートとは?
ベンチマークツールは、2016年の Digits Report のアップデート版になります。好評につき、復活したこのインタラクティブなレポートは、チャネル別(プッシュ、メール)、オペレーティングシステム別(iOS、Android、Web)、そして業界別のデータの詳細な分析ができます。
データはどこから?
Brazeベンチマークは、Braze に格納された600以上のブランドから集められたモバイル、ウェブ、およびメールのエンゲージメントデータを分析し、業界別の月次、四半期、年次のエンゲージメント率を算出しています。これらの統計は、現在の日付から2年間のデータを対象とし、138万件以上のマーケティング施策のデータを含んでいます。本レポートでは、プッシュ通知に関する総開封率、直接開封率、影響を受けた開封率のほか、メールに関する開封率、クリック率、クリック後の開封率などをカバーしています。
エンゲージメント率は、総開封数または総クリック数を総配信数で割った値です。メールのクリック後開封率は、総クリック数 ÷ 総開封数で計算されます。特に明示されていない限り、ベンチマークに掲載されている指標は1年ごとの数値です。このデータは週単位で更新されるため、常に新しい業界データにアクセスすることができます。
このツールは、Braze Alloys のフレームワークの中で、いくつかの素晴らしいパートナーシップから生まれたものです。データの民主化と可視化に特化したパートナーである Looker と協力し、バックエンドにベンチマークデータを表示し、より豊かなユーザーエクスペリエンスを実現するための組み込み型分析を作成しました。また、データプラットフォーム Snowflake とのパートナーシップにより、Snowflake のデータ共有機能を活用しています。これにより、Snowflake の顧客、および Braze と Snowflake の共通の顧客は、安全なデータ交換を通じてベンチマークデータに瞬時にアクセスし、自社のレポートや分析環境において、よりカスタマイズされたベンチマークを利用できるようになります。さらに、データ共有機能を活用して、Braze と Snowflake の共通の顧客に、Brazeプラットフォームから必要なデータに迅速、かつ簡単にアクセスできるようにします。これに加えて、 Benchmarks Looker Block を組み合わせることで、Braze のベンチマークとエンゲージメントを比較したり、仮説に基づく予測を行ったり、アラートのための閾値を設定したりすることができます。
データをどのように活用するか?
私たちは、データやテクノロジーを活用して、チームの創造性や戦略的思考を強化したいと思っています。このようなデータは、メッセージングの成功や失敗を理解するために重要です。例えば、プッシュ通知の開封率は、送信したプッシュ通知のうち何件が開封されたかを示すものであり、メッセージが人々の心に響いたかどうかを示す強力な指標です。しかし、ダイレクトプッシュと影響力のあるプッシュと比較しない限り、その全貌を知ることはできません。
例えば、あるキャンペーンのダイレクトコミュニケーションによるプッシュ率が、インフルエンスされたプッシュ率よりもずっと高いとしましょう。これは素晴らしいことで、あなたのメッセージは、人々にその場での行動を促しているのです。この勢いに乗って、直接開封率をさらに高くするための最適化を始めましょう。同じメッセージ内容で、画像やGIF、プッシュアクションボタンなど、視覚に訴える要素を取り入れたテストを実施することも検討できます。このような要素を加えることで、ユーザーが通知と直接的なやりとりを促し、エンゲージメント率をさらに向上できます。逆に、週末のセールに関するプッシュ通知を送信した場合、ベンチマークデータよりも影響を与えたプッシュ通知の割合が高くなったとしましょう。まず、ユーザーが自発的にアプリやサイトに戻ろう、と思うほど魅力的なメッセージを送信できたことは素晴らしいことです。また、リマインダープッシュやクロスチャネルメッセージ(メールのフォローアップなど)を送信し、ユーザーにちょっとした後押しをすることで、さらに率が向上するかどうかを試してみましょう。実際、Brazeのデータによれば、2つ以上のチャネルを組み合わせるとエンゲージメント率が最大642%向上します。
次に、業界別データです。このデータの価値は2つあります。1つ目は直感的であること、 業界ごとに、カスタマージャーニーも違えば、顧客とのコミュニケーションの取り方も、商品も違えば、考慮すべき法律も異なります。例えば、フードデリバリーサービスと保険会社は、顧客とのコミュニケーションの方法、頻度、声のトーンなどが大きく異なるでしょう。そのため、自分の業界のデータを他の業界と区別して、顧客がどのような方法で自社ブランドと接するのか、傾向を把握することがとても重要です。
2つ目の利点は、消費者の期待の変化を感じられることです。Lyft や Postmates などのモダンなデジタルファーストブランドは、顧客に個人的でリアルタイムなレスポンシブなメッセージングの体験を提供しています。Forrester Consulting が行った調査によれば、業界に関係なく、このような行動を取るブランドに対し、顧客は2.1倍も「愛着」を感じやすいとされています。ここで私たちからのお願いです。自分の心に響く顧客体験を提供しているいくつかのブランドを見て、ベンチマークツールを使って、その業界のエンゲージメント率が自分のそれとどのように異なるかを調べてみてください。そして、他の業界からインスピレーションを得て、自社の業界で活用することができるかどうかを確かめてみましょう。
最後に
これは始まりに過ぎません。Brazeベンチマークレポートは優れた顧客体験を作り出すための基盤となるデータが詰まった視覚的で使いやすいツールです。今後、毎週データを更新し、新しい指標を追加し、新しい機能を構築していきます。
Brazeベンチマークレポート をご確認ください。