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イベントレポート:トップマネジメントの皆様をお招きしたBraze Executive Round Tableを開催
2022年12月、Brazeユーザー企業のトップマネジメントを招いたBraze Executive Round Tableが開催されました。イベントでは、Braze日本法人代表の菊地 真之による開会の挨拶、社長兼最高顧客責任者のマイルズ・クリーガー(President and CCO Myles Kleeger)によるグローバルBraze事例などのプレゼンテーション、そしてゲストの博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局長代理 ビジネスディベロップメントディレクターの白子 義隆氏によるプレゼンテーションが行われ、今回白子氏からは、「昨今の企業と生活者のオンラインコミュニケーションに焦点を当てたCRM実態調査」について紹介がありました。
日本のマーケティングを変えるために私たちができることは?
当社代表の菊地 真之による挨拶は、参加されたエグゼクティブの方々への御礼からはじまりました。2020年12月の日本法人設立時の従業員は、菊地ただ一人であったこと。パートナーは0社、ユーザー企業は米国本社から引き継いだ3社だけ、という状態からスタートした当社は、わずか2年の間に40社超のユーザー企業と1億超のMAU、そして株式会社博報堂をはじめとする一流企業様にBrazeのサービスを採用いただけたこと。そしてその実現において大きな役割を担ったのが、いち早く当社のプロダクトを評価し、ご導入いただいたユーザー企業の存在であったことが述べられ、2021年に続いて今年もグローバルで成長率トップを達成見通しが報告されました。
挨拶の冒頭で「日本のマーケティング改革期をテクノロジーで支えたい」という強い思いを表明した菊地は、日本のマーケッターが今日直面している課題として、「カスタマーエンゲージメントの高度化」と「マーケティングDXの遅れ」を提示。システムの陳腐化の問題や、新システムを実装してもコストの割に成果が上がらないというケース、またCMO、CTOからは事業そのものの改革にも貢献できるデータプラットフォーム構築の難しさを上がっている実情などが述べられました。
こうした課題を解決するプロダクトが、マーケッターが使いやすいUI、UXを備え、企業のマーケティング活動や事業の改革に求められる大量データの迅速な処理を実現するBrazeであることを解説した上で、菊地が表明したのは、「日本のマーケティングを変えよう」をテーマとして掲げるイニチアシブの強化でした。その一つが2022年11月に発表された株式会社博報堂とのアライアンスです。「生活者発想のコンサルティングの第一人者である博報堂のノウハウと当社が擁する最先端テクノロジー活用による、生活者のニーズを捉えたCRM実現を支援するコンサルティングサービスにぜひご注目ください」という言葉で挨拶をしめくくりました。
Brazeはマーケティングの素人による会社だったという意外な事実
「東京では多くの顧客、パートナーと会いました。ここで得られた多くの洞察をニューヨークに持ち帰りたいです」という言葉から始まったマイルズのプレゼンテーションは、2011年に創業したBrazeの歴史と事例の紹介、そして今後の展開という3つのトピックを軸に行われました。
Brazeは現在、グローバルで1400名の従業員、Wal-Mart、Disney、McDonald'sをはじめとするグローバルに事業を展開するユーザー企業をサポートしていますが、創業者であるビル・マグナソンとジョン・ハイマンの二人はどちらも始めはマーケティング分野の業務は未経験でした。それにも関わらず、Brazeが最も優れたカスタマーエンゲージメントプラットフォームとして受け入れられた背景にあったのが、2011、12年のモバイル端末普及を前提とした、ビジネスの劇的な変化であったといいます。いつでも、どこでも、リアルタイムで顧客とのコミュニケーションできる環境に、大量のデータを分析してミリ秒単位で意思決定を行えるBrazeの技術が大きな役割を果たすことになったと振り返り、Brazeのプロダクトにおいてテクノロジーが大きな強みになっている理由もそこにあると強調しました。
事例紹介では、オンラインストリーミングサービスのHBO Max、コスメ専門店のSephora、家具を中心としたeコマースのOverstock、ハンドメイド作品等のオンラインマーケットEtsy、KFC等ファーストフードブランドを世界展開するYum! を取り上げ、そのポイントを紹介。HBO Maxでは、7日間のフリートライアルの視聴行動に応じてパーソナライズ化された体験により、コンバージョン率の3000%もの向上を実現したことなどが紹介されました。
今後の展開としてマイルズが第一に挙げたのは、SNSとの連携強化です。米国ではすでにWhatsAppとの連携がスタートし、リピート購入や継続的なエンゲージメントに大きな成果を挙げていますが、2023年中には同様のことがLINEでも行える機能を実装することが発表されました。2つ目には、SnowflakeをはじめとするクラウドDWHとの連携について紹介されました。
デジタルコミュニケーションの課題に応えるツール検証を実施
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局長代理 ビジネスディベロップメントディレクターの白子 義隆氏によるプレゼンテーションは、Brazeとの共同調査「昨今の企業と生活者のオンラインコミュニケーションに焦点を当てたCRM実態調査」のサマリー紹介を軸に行われました。
デジタルコミュニケーションの強化で注目すべきことは、マーケティングプラットフォームの見直しです。そのポイントとして白子氏が挙げたのは、複数ドメインにまたがる「個」の把握と、リアルタイム性の前提でもある消費者の「モーメント」を捉えることの重要性でした。
こうした課題を受け、博報堂は今後数年を見越した際に考えられる新たなマーケティングシステムのアーキテクチャについて検証を実施。特に注目したのが①マーケター自身によるデータハンドリングの実現、②データ基盤の簡素化によるより高度なデータ連携の実現、③ツールのGUI化・ノーコード化、④クッキー制限下の個の特定という4つの観点でした。この観点で様々なツール、システムを検証したところ、Brazeは今後のマーケティングシステムに求められる要件を満たせるツールとして高い評価となった、ということが報告されました。
Braze Executive Round Tableでは、白子氏のプレゼンテーション後、参加された皆様によるディスカッションに移行。「コミュニケーション設計の課題」「成功・失敗事例」などのテーマにもとづく情報共有と建設的な意見交換が行われ、参加された皆様が今後のマーケティングについて語り合える有意義な時間となりました。