今日の厳しいカスタマーエンゲージメント環境で成功するためには、ブランドはユーザーが誰で、どのようにエンゲージし、何に関心を持っているかを正確に理解する必要があります。しかし、多くのマーケティング担当者は、一貫性のある方法でユーザーを特定するのに苦労しています。言うまでもなく、これらの匿名のユーザーを、ロイヤルカスタマーへと一貫した方法で変換することを意味します。これにより、より大きなオーディエンスと強力な収益が生まれる可能性がありますが、実現するには適切な戦略とテクノロジーが必要です。
これをサポートするために、Brazeは、ブランドが既知ユーザーと匿名ユーザーの両方を識別するプロセスを簡素化するための機能を開発しました。ここでは、ユーザー識別の詳細、既知ユーザーと匿名ユーザーの可能性、そしてBrazeが、ブランドが匿名ユーザーを既知ユーザーに誘導しながら、すべてのユーザーを総合的に理解するのに役立つ方法を探ってみましょう。
ユーザーの識別が重要な理由
マーケターは、ブランドのユーザーを理解することで、より成功を収めることができます。それを可能にするために、今日のブランドは個人に関するさまざまな情報(例えば、特定のページを訪れる頻度、ブランドのモバイルアプリを開く頻度、最後に購入した時期など)を収集しています。正確で複数の補完的な要素を含む統合されたプロフィールを基に構築されたメッセージングは、最高の結果をもたらし、最高の顧客体験を提供します。
しかし、インターネットやモバイルデバイスの普及により、消費者に関するデータ量はここ数十年で膨大に増加しました。同時に、ブランドはユーザーの行動を正確に理解し、マーケティング活動の妥当性を確保するためにユーザーを特定する必要があります。結局のところ、多くのユーザーはプラットフォームやチャネルを越えて関わっており、(例えば個人のウェブセッションとモバイルセッションを2つの異なるユーザーとして扱うといったようなリスクをおかしてしまうことにつながり)正確な識別ができなければ、全体の概観を見逃す危険性があります。
ブランドには、さまざまなデバイスやプラットフォームにまたがるユーザー活動の統合に、少しの助けが必要な場合があります。すべてのデジタルプロパティからデータを全体的かつ継続的に収集・処理していない場合、プラットフォームごとにサイロ化されたユーザー像になりがちで、ユーザーの行動を誤って表現し、ブランドの一貫した体験を提供することが難しくなります。これはシステム的なものもあればランダムなものもあり、効果的なマーケティングとエンゲージメントを促進するための統合プロファイルの価値を損なう可能性があるものばかりです。
匿名ユーザーと既知ユーザーの違いと重要な理由
ユーザーを理解するために最も重要なのは、匿名ユーザーか既知ユーザーかということです。しかし、匿名ユーザーとはどういう意味なのでしょうか?また、匿名性がカスタマーエンゲージメントにどのような影響を与えるのでしょうか?
厳密な意味では、匿名ユーザーとは、ブランドのアプリやウェブサイト、その他のデジタルタッチポイントに、特定されることなく何らかの形で関与する人のことを指します。まだユーザープロフィールを作成していなかったり、特定のデバイスでログインするのが面倒だったりと、おそらく誰もが一度は経験したことがあるでしょう。それでも、匿名ユーザーのやりとりや行動は通常、何らかの形で記録されます。ただし、個人を特定できないため、マーケティング担当者は、効果的なメッセージの発信、メッセージのパーソナライズ、カスタマーエンゲージメントの最大化において出来ることに限りがあります。この問題はどの程度浸透しているのでしょうか?Brazeは2019年11月から2022年2月にかけて、100以上の小売およびEコマースブランドで25億人のアクティブユーザーを分析しました。その結果、86%が匿名ユーザーであり、実際には小売およびEコマースの購入者の12%もが匿名のカテゴリーに属していることがわかりました。 匿名ユーザーが多いことの副作用はなんでしょうか?この中で80%の個人は、まったくマーケティングのプロモーションを受けていません。ブランドにとって、エンゲージメント、取引、リピート・コンバージョンを高めるチャンスがここにあることは明らかですが、それは、彼らを効果的に識別し、カスタムメッセージングでターゲットを絞った後に限られます。
柔軟にユーザー識別をサポートするBrazeの仕組み
考えてみれば、ブランドのサイト訪問者やアプリのユーザーはすべて匿名の個人としてスタートします。彼らは、ゲストブラウジングを通じてブランドのウェブサイトやアプリを利用するかもしれませんが、彼らがアカウントを作成するか、またはその他の方法でブランドに対して自分自身が識別できるようになるまでは、既知のユーザーになることはありません。つまり、マーケターにとっての今後の課題はこれです: 「ユーザーを円滑かつ効果的に特定し、エンゲージメントとロイヤリティを深めるために各個人に関する情報をどのように活用できるか?」
アイデンティティの解決、プライバシーの保護、ユーザーデータの管理は、すべてBrazeのプラットフォームに組み込まれています。Brazeはまた、ユーザープロフィールのライフサイクルを進化させる戦略的アプローチをとっており、ブランドが特定のオーディエンスのユーザーを特定し、把握するためのさまざまな手段を提供しています。このアプローチの中心に位置するのがライブプロフィール)( live profiles)です。Brazeは、既知のユーザープロフィールと匿名のユーザープロフィールの両方について、すべてのユーザーデータを収集して属性化し、Brazeがサポートする異なるプラットフォーム、デバイス、チャネル全てを通じて、各ユーザーの360度のビューを提供します。
柔軟な識別と効果的なカスタマーエンゲージメントをサポートするBrazeの機能のいくつかを見てみましょう:
- Brazeプラットフォームの拡張可能なSDKとAPIは、リアルタイムおよび過去のデバイス、位置情報、ナビゲーション、イベント、検索、セッション履歴、その他の入力に基づいて、ユーザーのアイデンティティを導き出すように設計されています。Brazeを使用するブランドは、プラットフォームが各ユーザーの何を追跡するかをほぼ完全に制御でき、オーディエンスやビジネスニーズにとって重要な情報を整理することができます。
- Brazeでは、ブランドは決められたID(例:メールアドレス、電話番号、広告IDなど)を割り当てることもできますし、Brazeが割り当てたID(外部IDに依存しない、例えば「braze_id」のようなBraze固有のユニークな識別子)を使用して、セッション、デバイス、メッセージングチャネルの全範囲にわたり、各ユーザーの永続的な識別子を維持することもできます。Brazeに入力されるすべてのユーザーデータは、既知のユーザーも匿名のユーザーも自動的にユーザープロファイルに関連付けられ、データが取り込まれるとプロファイルフィールドが作成されます。
- Brazeはまた、ユーザーエイリアスにより、カスタムディメンション全体でユーザーを識別します。この方法を使用することで、ブランドは匿名ユーザーと既知ユーザーの両方を識別、ターゲットとし、リーチすることができ、より高いマーケティングパフォーマンスとユーザーとブランドの強い関係を促進する機会を提供します。
- BrazeのユニークIDの柔軟性を活用したいが、メールアドレスや電話番号でもユーザーを表示したいというブランドのために、Brazeはこれを可能にする機能も備えています。Brazeプラットフォームは、メールアドレスと電話番号をユーザープロファイル内の個別のフィールドとしてリストアップします。ブランドは、これらのフィールドに基づいて検索し、この情報を活用してライブ更新のオーディエンスセグメントやターゲットキャンペーンを作成することができます。これにより、メールアドレスや電話番号をIDとして使用する利点がすべて得られると同時に、一般的な複雑さ(ユーザーがメールアドレスや電話番号を変更するたびにIDを変更しなければならないなど)に対処するために必要なツール(外部ID移行エンドポイントなど)をマーケティング担当者に提供することができます。
匿名ユーザーを相手にする場合、これらすべてがどのように関わってくるのでしょうか?
あなたのウェブサイトを訪れてアカウントを作成せずにゲストとして購入した個人がいるとしましょう。従来のテクノロジーでは、その個人はあなたのブランドにとってほとんど価値がありませんでした。彼らが何かを購入してくれたことはありがたいことですが、その人について何も知らず、彼らがあなたのウェブサイトに戻ってきたかどうかもわからないため、その人をより理解しようとしてもほとんど意味がありませんでした。
しかし、Brazeを使用すると、あなたのサイトにいる間のその個人の行動(例えば、どのページを訪問したか、自分自身についてどのような情報を共有したか、購入を行ったか)が自動的に収集され、関連するBraze ID(Brazeによって設定され、APIを通じてユーザープロファイルを更新するために使用できる一意の識別子)を持つ新しい匿名ユーザープロファイルに追加されます。これにより、そのユーザーが次回訪問した際に、アプリ内メッセージングやその他のチャネルを通じてメッセージを送ったり、類似ユーザーのセグメントに含めたり、そのユーザーの嗜好や行動に関する情報に基づいて表示するメッセージをパーソナライズしたりすることができます。
ユーザーがアカウントを作成するか、ブランドと識別子(メールアドレスや電話番号など)を共有すると、changeUserメソッドを活用して、その外部IDまたは連絡先フィールドを既存の匿名ユーザープロファイルに割り当てることができます。また、このステップを踏むことで、複数のデバイスやプラットフォームで一貫したユーザーエクスペリエンスをサポートし、ユーザーが異なるデバイスでアプリを再インストールするたびに新しいユーザープロファイルが生成されるのを防ぐことで、アナリティクスの精度を向上させることができます。
匿名ユーザーを特定する際に確認すべきシナリオは2つあります:
- 匿名ユーザーが新しい特定ユーザーに: 外部IDがBrazeプラットフォームにまだ存在しない場合、匿名ユーザーは新しい識別ユーザーとなり、匿名ユーザーの既存の属性と履歴はすべて保持されます。
- 匿名ユーザーが既存のユーザーとして識別: 外部IDがBrazeプラットフォーム内に既に存在する場合、またはこのユーザーが別のデバイス経由やインポートされたユーザーデータなど、以前に何らかの方法で識別された場合、Brazeは匿名ユーザーを特定し、そのデータを識別されたプロファイルに引き継ぎ、すべてのユーザーのより全体的なビューをサポートします。
まとめ
ユーザーと強固で持続可能な関係を構築する前に、ユーザーとそのエンゲージメントを総合的に理解する必要があります。Brazeプラットフォームの柔軟なユーザー識別機能により、マーケティング、グロース、エンゲージメントの各チームは、匿名ユーザーへのリーチと既知ユーザーへのコンバージョンを簡単に行うことができ、各個人がブランドとデジタルでどのようにつながっているかを360度把握することができます。
匿名ユーザーを特定することで、ユーザーとブランドの持続的な関係をどのようにサポートできるか、下記のブログも参考ください。
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