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City × City Japan 2023 セッションレポート - Amebaブログが実践 。データを素早く価値に変えるパーソナライズ戦略

Team Braze 作成者: Team Braze 2023/08/06

2023年7月12日、Braze主催、日本最大級のマーケティングイベントであるCity × City Japanが開催されました。猛暑のなか、多くの方に来場いただき、基調講演からユーザーセッション、パートナーセッションと幅広い内容をお届けしました。

そのユーザーセッションのひとつ、「Amebaブログが実践。データを素早く価値に変えるパーソナライズ戦略」というテーマで、株式会社サイバーエージェントAmebaLIFE事業本部プロダクトマネージャー、彦坂真一氏より、パーソナライズの実現ステップや導入から成果創出までの戦略について、お話いただいた内容をレポートしたいと思います。

株式会社サイバーエージェントAmebaLIFE事業本部プロダクトマネージャー 彦坂真一氏
株式会社サイバーエージェントAmebaLIFE事業本部プロダクトマネージャー 彦坂真一氏


Brazeの導入と成果

〜2カ月で導入、3カ月間のPDCAサイクルを経て、5ヶ月で成果創出〜


彦坂氏からは、まずAmebaのサービス概要から、Braze導入に至った経緯、Braze導入前と導入後の変化および成果をお話いただいたあと、より具体的な話にうつりました。

Amebaというとブログサービスとしての印象が強いですが、近年ではマンガ、Ameba内のインフルエンサーとのコラボをしたコマース事業や口コミサービスなど、多角化が進んでいます。これにより、Ameba内のユーザー自身、関心や興味も多様化している状況のなか、パーソナライズ戦略の重要性が高まったことでBrazeの導入が行われました。

Brazeの導入自体はわずか2カ月で完了し、その後3カ月間のPDCAサイクルを経て、5ヶ月で成果、具体的にはパーソナライズされたプッシュ通知のメッセージ配信で、DAU(日別アクティブユーザー)が102%成長し、かつ運用工数がゼロになったことが挙げられました。


またBraze導入後の3つの変化もお話いただきました。

変化1. ユーザー1人1人にパーソナライズ:

従来の粗いセグメントからユーザーの細かいデータや趣味嗜好を活用して、ユーザー1人1人に対してパーソナライズされたコンテンツ配信が実現

変化2. push通知の運用コストが0に:

プッシュ通知の運用に要していた時間が0になり、リソースの節約と新規事業への投資が可能になりました。

変化3. 高速PDCAを実現:

複雑なセグメントの切り分けやデータの追加、データ分析などの旧ツールでの課題が解決され、PDCAサイクルがスピーディーに回り、成果を創出できるようになりました。

成果への実現ステップについて

次に、彦坂氏からは、その実現にあたって、どのようにステップを踏んで行ったのか、組織体制の視点でお話いただきました。

1つ目のステップ:

Brazeの導入フェーズでは若手のチームを最少工数で構成し、2ヶ月で旧プッシュ通知からBrazeへ移管。

2つ目のステップ:

Brazeの機能である「Canvas」を使い、ユーザーセグメントごとにシナリオを設計して毎日PDCAを回し、勝ちパターンをたくさん作り、成功事例をどんどん作成 。その結果としてDAUの102%成長に導く。

3つ目のステップ:

標準化&自動化。どうやったら勝ちパターンを仕組み化できるか考え、Brazeにある「Connected Content」や「Liquid」という機能を活用し、運用工数を0に削減という成果を出していった。


ここでの重要な学びは、Braze導入チームと運用チームを一体化し、導入完了をKPIにせず、導入後の施策実行に意欲を持つことで成果を最大化できたという点でした。分離されたチーム間での情報受け渡しによるコミュニケーションコストの削減も重要な要素だとお話されました。

パーソナライズ戦略の2つのステップ:

次に、彦坂氏は、以下の2つのステップで、パーソナライズ戦略を進めたとお話されました。


最小工数でのパーソナライズ実現:

PMである彦坂氏ひとりで、まずはBigqueryのマシンラーニングを活用してクイックに検証を行い、成果を出すことができた勝ちパターンを特定。

パーソナライズ自動化の実装:

勝ちパターンをシステム化し、自動化するためにAmebaブログに既に存在するレコメンドの仕組みを活用。これにより、パーソナライズのメッセージや記事データをユーザーに合わせて配信する仕組みが構築され、運用工数がゼロになると同時に、ユーザーエクスペリエンスが向上しました。


ここで強調していたことは、仕組みのシステム化をする前に、まずはクイックに検証し、成功パターンが見えたらエンジニアの工数をかけて実装していくことでした。


パーソナライズ施策の事例

最後に、データ×Brazeによる成功した施策の事例をお話いただきました。

Liquidを使ったパーソナライズ施策:

Liquidという機能を使って、ユーザーの名前などのデータを配信メッセージに差し込むことで、親近感のあるメッセージを作成。開封率が124%増加。

閲覧データからのお勧め記事推薦

AmebaブログのレコメンドAPIとBrazeを連携させて、ユーザーの趣味嗜好に合ったブログ記事をプッシュ通知で配信。開封率が113%増加。

ブログ記事の最新更新通知:

Liquidを使い、ユーザーのIDと最新記事のデータを連携させ、ユーザーごとに最新の未読記事を配信。また、フォローしているブログの未読記事をプッシュ通知でお知らせする仕組みも実装。開封率が160%増加。


特に重要なポイントは、ユーザーにとって価値のある体験をデザインし、それをプッシュ通知に反映させることだと、強調します。

パーソナライズ施策を実施する際は、クイックに検証し、成功パターンが見えた場合にはシステム化していくことが効果的で、会員だけでなく、非会員のユーザーにもパーソナライズを実現することで、より幅広いユーザー層に訴求できる可能性がある、ともおっしゃっていました。

最後の振り返りとして、100以上のキャンペーンの試行を通じ、Brazeを活用して多くの施策を実行できるが、同時に条件分岐やセグメントの細分化によって運用コストが増加するという課題も出てきたので、運用コストを増やさせないためにも、目標設定の際に運用工数の削減とユーザー体験の向上の両方を考慮し、KPIを設定することがパーソナライズ戦略の成功には重要といって締めくくりました。

Brazeとの対談

ここからは、Braze導入にあたって一緒に伴走したBrazeコンサルタントの佐藤と一緒に、セッション中には紹介しきれなかった、コンテンツカードを使ってAmebaからのお知らせをパーソナライズ配信する施策の紹介や、今後は、コンテンツカードを使って、Ameba周辺事業に送客するための自社広告枠へ有効活用していきたいという話でセッションは終了しました。


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