何年も前から話題にのぼり、長いこと予測されていたデジタルディスラプションが到来しています。モバイル、ウェブ、そして対面での顧客は、ますます一体化してきています。コロナ禍以前は暫定的だったリモートワークの傾向は本格化しています。そして、このような環境の変化にブランドがどう対処できるかが、長期的なビジネスの成功を決定する上で重要な役割を果たすことは明らかです。
企業経営者もチームも、仕事や顧客の期待などを取り巻く環境が変化する中で、これまで以上にすばやく機敏に進化し、変化に対応することが必要です。もちろん、これから先も未知なる状況が待ち受けていることは言うまでもありません(そして、ひとつだけ確かなことは、次の大きな変化が現れるのは時間の問題だということです)。
企業の柔軟性を高めたいなら、まず組織やチームの構造、従業員が協力する方法について考える必要があります。
予測できない変化に適応するためにチームを進化させる5つの方法
企業ですぐに実践できる、柔軟性の高いチーム作りに役立つ推奨事項を以下に挙げます。
1.プロジェクトチームの規模を制限する:以前にも述べたように、多くの組織ストラテジストは、効果的なチームは4~5名に制限すべきだと考えています。これは、タスクに集中し、解決策と意思決定に向けて前進するための理想的な人数です。もっと多くの人員が必要と思われる場合は、タスクの定義が広すぎるため、タスクごとに焦点を絞り込む必要があります。
2.全員に適切な権限を委ねる:マッキンゼーアンドカンパニーによれば、監督と俳優の間に強い信頼関係があれば、俳優にアドリブの余地が生まれるように、シニアマネージャーはチームへの指導を通じて信頼関係を育み、チームが現場で意思決定を行い、その決定に責任を持てるような権限委譲のパラメーターを設定する必要があります。多くの承認プロセスほど、機敏性を損なうものはありません。
3.チームの高い目標や期限を設定する:マーケティングの授業で、iTunesに対抗する新製品をグループで考えるというアクティビティがあります。その際、コンセプト、ネーミング、パッケージ、価格、プロモーション戦略などを、徹夜で必死に考えたという経験をお持ちかもしれません。全員が重要な課題に取り組み、締め切りが迫ってくると、チームの一体感が高まり、最高のパフォーマンスが発揮されます。これは、チームのコラボレーションと緊急性を強く意識するためです。実社会のチームにおいても、個々の機能や部門のサイロを越えることを奨励し、報酬を与えることで、「全体にとっての善は、個人にとっても善」を現実のものとする必要があります。
4.ミーティングの時間を短くし、回数を減らす:ミーティングは往々にして、屋根裏のように、さまざまな価値のものが山積みで、お宝を発見するどころか、考えるスペースもなくなってしまうことがあります。CNBCによると、米国の企業では毎日1,100万回以上のミーティングが開かれていると推定されています。皆さんも、完全に時間の無駄だと思えるミーティングに参加したことがあるでしょう。ミーティングの議題を明確にして参加者が十分に準備して臨めば、効率的に進み時間を節約できるため、取り戻した時間を情報収集、分析、批判的思考にあてられます。そうした活動を行うことで、長時間のミーティングは無用の長物になるのです。
5.リアルタイムのコミュニケーションおよびコラボレーションツールの活用。テクノロジーにより、時差やその他の障壁によって隔てられた、遠隔地にいる従業員も含めた効率的なチームワークを実現できます。高速インターネットへのアクセスやビデオ会議など、さまざまな環境下でも、Monday.com、Wrike、Asana、Jira、Basecamp、Slackなどのインタラクティブなリアルタイムコミュニケーションとコラボレーションツールを活用することで、従業員はプロジェクトの詳細を知ることができ、チーム全体がどこにいてもアクセスできます。
マーケティングとカスタマーエンゲージメントチームを成功に導くための次のステップ
「高いパフォーマンスを発揮するマーケティング組織にとって、柔軟なチームモデルとツールセットは欠かせません」と話すのは、Grafted Growthの共同創設者ジャクソン・ヨモギダ(Jackson Yomogida)氏です。「変化する環境や市場の課題に適応する能力があれば、アウトプットを最大化できます。Brazeのようなツールを使うと、チームは必要なときに必要な場所で焦点や戦略をすばやく変更できます」。
完全に見えないもの、把握できないものを解決することはできません。だからこそ、現代のマーケターやカスタマーエンゲージメントチームは、顧客に今、何が起こっているのかを、個人のレベルで一貫した全体像を把握する必要があります。ここでは、成功したブランドでまさにそれを実現し、次のどんな展開にも対応できるように準備しているツールを紹介します。