2022年7月12日に東京ポートシティ竹芝 ポートホールで開催された、Braze主催のイベント「FORGE Japan 2022」の様子をレポートします。日本国内初となった本イベントのキャッチコピーは、「カスタマーエンゲージメントの最先端を体験する」。事例セッションやキーノート、パネルディスカッションに加え、イベント専用アプリを用いて、カンヌライオンズ賞3冠に輝いたキャンペーンを参加者自らが体験するなど、リアルイベントならではのアイディア、インスピレーションをマーケターの皆様にお届けしました。
700名以上の方が参加登録。久々のリアルイベントの体験
2022年7月12日開催の「Braze FORGE Japan 2022」には、700人以上のマーケター、エンジニアの事前登録をいただき、370名以上がイベント会場に参加されました。
セッションにはメルカリUS、日本ケンタッキー・フライドチキン、アイスタイル、バーガーキングといったトップブランドからゲストスピーカーをお招きし、Braze導入事例や最新テクノロジーについてお話しいただきました。
最初のプログラムでは、Braze 代表取締役社長の菊地 真之と、株式会社デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長/一般社団法人日本オムニチャネル協会 会長/SBIホールディングス株式会社 社外取締役の鈴木 康弘氏によるオープニングセッション「カスタマーエンゲージメントの未来〜消費者が求めている顧客体験〜」が行われ、その後はメルカリUSの事例セッションに続きます。メルカリUS CRM テクニカル ディレクターの現王園 浩士氏は、「ユーザーの行動理解から始まる顧客エンゲージメント〜チャネルを横断したパーソナライゼーションの実現〜」をテーマに、同社の具体的な取り組みについてお話いただきました。
カンヌライオンズ賞3冠のキャンペーンを実際に体験
ランチタイムには、本イベントの目玉企画である「バーガーキングUSキャンペーン体験」が開催。これは、バーガーキングがBrazeを用いてアメリカで実際に行ったキャンペーン「Whopper Detour(ワッパー・デツアー)」を、参加者自らが実際に体験できるというもの。なお、バーガーキングはWhopper Detourでカンヌライオンズ賞3冠という快挙を成し遂げています。
参加者はまず、スマートフォンに専用アプリをダウンロードした状態で、ハンバーガの競合店舗(ビーコンが設置されてるこの会場ではホットドッグ屋)を探します。
競合店のホットドッグ屋(ビーコンが設置されている場所)に近づくとアプリからプッシュ通知が届き、ハンバーガーの無料クーポンを獲得することができます。
その後、会場の外にあるバーガーショップでクーポンを提示することで、ハンバーガーと引き換えることができるのです。
Brazeの特長である、リアルタイムかつパーソナライズされた顧客体験を、実際に肌で感じることができるキャンペーンをご来場の皆様に体験いただきました。その他にも、スペシャルドリンクやオリジナルTシャツのクーポンが配布され、クーポン解除を実行し商品をお受け取りになっていました。
キーノート「データ、テクノロジー、組織で創造する『ヒューマンコネクション』」
午後には、今回のキーノートセッションが開催されました。はじめに、BrazeのCEO兼共同創業者 ビル・マグヌソンがリモート登壇し、参加者に対してイベントへの参加のお礼とBrazeの現状について話しました。
「今から11年前にニューヨークに本社を設立してから、現在Brazeの従業員数は1,300名強、有名ブランドを含む顧客数は1,500社以上を誇る企業に成長しました。業界でも多くの賞を受賞しており、昨年秋には、待望のNASDAQ上場も果たしました」
「コロナ禍の2020年10月に東京オフィスを開設したことや、プロダクトのローカル化として最初に日本語化に取り組んだのも、Brazeが日本市場に大きな期待を寄せていることの証です。消費者は、TPOにあったカスタムエクスペリエンスを求めています。コロナ禍によって世界中でデジタル化が進みました。行動制限が解除されても、元の時代には戻らないでしょう。お客様の期待というものは、常に上がっていきます。お客様にリーチし、彼らの期待を超えるカスタムエクスペリエンスを提供する窓が、今まさに開いています。しかし、ずっとその窓が開いているわけではありません。先に機会をとらえたブランドが競争優位性を手にします。Brazeがいかにしてビジネス変革を実現するのか、ここからは、共同創業者のジョン・ハイマンに説明していただきましょう」
「私たちのプラットフォーム『Braze』は、ブランドが3つの機能を実現することを可能にします。それは、『顧客に耳を傾ける(LISTEN)』『顧客を理解する(UNDERSTAND)』『顧客と対話する(ACT)』です」
「まず『LISTEN』です。お客様のデータがどこからきたとしても、Brazeのブランドビューに流れてきます。さらにメッセージがリアルタイムに処理され、自動で最適化されます。次に『UNDERSTAND』です。パーソナライズされた経験を提供するということは、お客様を行動に基づいて理解するということです。Brazeに届いたデータをもとに、お客様をより細分化してセグメント化し、詳細な顧客分析を行うことができます。最後に『ACT』です。消費者の声に耳を傾け理解したブランドは、Brazeを利用して適切なマーケティング戦略を実行できます。メッセージに対して消費者がとった行動は即座にデータとして取り込まれ、貴重なインプットとなります。企業が情報収取するタイミングや方法について規制や文化的な懸念がある昨今、Brazeのテクノロジーは、ブランド・お客様のプライバシーを侵害しない方法で、お客様にとって価値あるものを発見することができるのです」
「元々Brazeを立ち上げた目的は、モバイルをエンゲージメントツールとして活用し、あらゆる種類のビジネスに対して長期的な価値を創造することでした。顧客体験をより良いものにし、マーケティング担当者の仕事をより簡単にするための肝となるのが、『Canvas』です」
「Brazeの『Canvas』とは、複数のチャネルを跨いでジャーニーを設計できるツールです。ブロックのような作りになっており、直感的な操作が可能です。Canvasの特長は大きく3つあります。1つ目は、Canvasを起動するタイミングを非常に柔軟に設定できる点です。お客様の特定のアクションをトリガーにメッセージを送ることもでき、他システムとの連携もできます。2つ目は、A/Bテストが柔軟に設計できる点です。特に、繰り返し行われるようなA/Bテストの場合、パターンAとパターンBのうち、どちらがより成果が出ているかがわかってきます。Canvasは、例えばパターンAの方がより成果が出ているとわかった段階で、残りのテストの対象者をパターンAに自動的に寄せていくことができます。最後は、複数のチャネルを跨いだ設計が可能な点です。あまりメールを見ず、プッシュ通知をよく見る人がいたとします。するとそれをBrazeが自動的に判断し、メッセージをメールからプッシュ通知に切り替える機能があります。このように、一人ひとりの顧客に合わせてジャーニーを設計できるのがCanvasです」
その後、再びハイマンが登壇し、本イベントで初解禁となる、新サービスの紹介が行われました。
「最新サービス、『Canvas Flow』についてご紹介します。Canvas Flowは、従来のCanvasの機能を強化し、よりマーケターをサポートしやすい形にしました。どのようなサイズのブランドでも、あらゆるチャネルで顧客体験をデザインすることができます。Canvas Flowのメリットは3つ。簡単な操作でジャーニーをデザインできる点、顧客の行動に即座に対応し、顧客体験を自動で最適化できる点、そして機械学習によりパフォーマンスを自動で最適化できる点です。Canvas Flowは、お客様の体験をより思い出深いものにします」
好評の中幕を閉じたFORGE Japan2022
キーノート後も、プログラムは続きます。Labシアターでは、Brazeのパートナーであるクラスメソッド株式会社の國崎 優雄氏と松岡 友美氏がそれぞれセッションを実施し、メインシアターでは、日本ケンタッキー・フライドチキン株式会社 マーケティング部CRM推進課 部長代行 濱嶋 保樹氏とBraze カスタマーオンボーディングマネジャー 太田 潤子によるセッションが行われ、アプリを起点としたCX向上の取り組みとともに、Brazeを採用した背景や今後の展望についてお話しいただきました。
その後、サンドラッグ株式会社 EC事業部 事業長 田丸 知加氏により、「グローバル&経営視点から見る小売ビジネスにおける本当のオムニチャネルとは」と題された事例セッションが開催。また、株式会社アイスタイル Senior Vice President作間 友幸氏と株式会社BK Japan HoldingsのChief Operating Officerである野村 一裕氏によるパネルディスカッションも開催されました。
一日に及んだイベントの最後は、マーケティング アナリスト/芝浦工業大学教授 原田 曜平氏が登壇。「『コロナで変わった価値観とトレンド』〜若者に刺さるマーケティングとは〜」と題したスペシャルセッションが行われ、盛況のうちにイベントは閉幕となりました。
今回のイベントを通じて、Brazeのリアルタイムマーケティングによる顧客エンゲージメントを多くの方に体感いただくことができました。Brazeはあらゆるブランドをサポートし、パーソナライズされたコミュニケーションを通して、人間味のある関係構築を実現します。それが、Brazeの掲げるミッション「Human Connection」です。
新しいソリューションも増え、これからさらに拡大していくBrazeの事業に、どうぞご期待ください。