グロースマーケティング
ハンバーガーはドライブスルーからドライブインへ。体験価値の向上を目指すソニックドライブインのグロース戦略
顧客を惹きつけ、長期間に熱狂的なファンでい続けてくれるようなグロース施策は数多くありますが、この時代に広告費を投資して、顧客基盤を拡大させ続けることがベストな選択なのでしょうか?むしろ、中長期でのLTVの最大化を目指す企業は顧客を中心に体験価値を上げ、顧客維持(リテンション)やリピーターに注目しています。
顧客の体験価値の最大化に向けた重要なポイントはカスタマージャーニーの中で最も重要な瞬間を正確に捉えることです。多くの外食・ファストフード業界では、カスタマーエンゲージメントに弾力性を組み込み、コロナ禍のような苦境の中でもビジネス継続ができるように戦略を構築しなおしました。顧客接点のほとんどが対面だったものが、デジタルとの組み合わせが必須となり、顧客との関わり方が一変しました。
データを活用し、顧客体験にインパクトを与える重要なポイントについて、ドライブスルーではなく、ドライブインのハンバーガーチェーンのソニックドライブインの事例はとても参考になります。
ソニックドライブインがBrazeを活用して創造性を引き出す4つの方法
その1:プッシュ通知にオプトインするようユーザーを誘導する
ソニックドライブインをはじめとする外食・ファーストフード業界は、ブランドに対するファンを創造し、持続的な成長ができるような施策を展開しています。昨年、ソニックはBrazeと共同で顧客データを分析し、プッシュ通知へのオプトインを促す施策を行いました。オプトインしたユーザーは、期間限定キャンペーンなどの特典の利用率が高く、この層の拡大は合理的と言えます。Brazeを使い、まだプッシュ通知に登録していないユーザーを対象にアプリ内キャンペーンを実施し、設定画面へのディープリンクを用いて、プッシュ通知の許可を促しました。
その2:戦略的パートナーシップで価値のある顧客を増やす(BrazeとApple Pay)
実店舗とデジタルの融合が一般的なファーストフード業界のブランドにとって、パートナーシップの価値を最大化するには、適切なチャネルを持つことが重要です。ソニックにとって、購買意欲の高い顧客、ロイヤルティの高い顧客は、Apple Pay、またはGoogle Payのいずれかを選択していました。BrazeとApple Payの併用でソニックはAppleのデジタルチャネルでキャンペーンの実施ができるようになり、たとえばメンバーに対し、リワードのオファーを出せるようになりました。さらに、Brazeのカスタマージャーニーを設定する Canvas Flow を活用し、アプリ内の決済手段として、Apple PayとGoogle Payの認知度を高めるメールキャンペーンも行いました。これにより、ソニックはメール利用者のコンバージョン率を向上できました。
その3:意義のある瞬間が、強固なライフサイクル戦略を推進する
顧客とソニックとの接点の重要な瞬間に注目、ソニックはカスタマーエンゲージメント戦略をより精度の高い方向へシフトさせました。「顧客の体験価値が高いポイントにマーケティング施策を寄せることで、リテンション、新規顧客獲得、マネタイズという3つの重要な分野に集中できるようになった」と担当者は述べています。ライフサイクルの各段階におけるカスタマーエンゲージメントの目標を明確化し、パーソナライズし、顧客の好みに対応したキャンペーン戦略をデザインできます。また、Brazeのレポート機能により、ソニックは顧客行動をデータで迅速に分析、評価し、次の戦略に活かす仕組みが出来上がりました。「Brazeを活用し、さまざまなセグメントを組み合わせて、ユーザーの関心を惹きつけ、最もロイヤルティの高い顧客に感謝を伝え、次のアクションに繋げるキャンペーンを実施するなど、よりデータドリブンなキャンペーン設計ができるようになりました」と述べています。
その4:リアルタイムでより良いカスタマージャーニーを構築する
ソニックは、キャンペーンを迅速に、連続的に展開することの重要性を身をもって学びました。カスタマージャーニーをより有意義なものとするため、Canvas Flow はマーケティングチームの創意工夫を引き出すのに役立っています。「Canvas を使うことで、毎月のアプリ特典を考えたり、オファーする方法やタイミングなどにインサイトを与えてくれます。現在ではウェルカムシリーズ、アトラクションシリーズ、バースデーリワード、エキサイティングチャレンジキャンペーンなど、さまざまなキャンペーン展開のアイデアに繋がっています。」と担当者は述べています。また、Brazeの新機能である Audience Sync を使って、Facebookなど外部の広告とも連動し、ユーザー行動を起点にジャーニーを作ることのできるAction Paths で調整を加えながら、ユーザーの行動・状態に合わせてパーソナライズしたキャンペーンを実施する試みも行っているそうです。
有意義な瞬間の価値を掘り起こす準備はできていますか?
今日の消費者市場では、優れた顧客体験を提供するためのパーソナライゼーションがとても重要です。私たちのチームは、最新のテクノロジー(カスタマーエンゲージメントツール)を利用して、優れたパーソナライゼーションを実現するための工数を減らし、平均10~30%の収益向上を実現しています。プライバシー規制が企業に与える影響は加速していますが、私たちソニックのようにファーストパーティデータに注目し、データ主導のアプローチを開発することで、この状況をうまく乗り切ることができました。
ブランドやチームがこのアプローチを活用する方法について詳しくは、弊社のガイド「パーソナライゼーション: デジタル・トランスフォーメーションへの鍵」(英語版のみ) をご覧ください。