IAM(アプリ内メッセージ)の魅力は、ユーザーが求めている情報(例えば新機能の発表や、ゲームのレベルのアンロックなど)を的確なタイミングで伝えられることです。IAMの情報はアプリ利用時に届くので、ユーザーに何の違和感も与えることなく情報を伝えられます。
IAMとは、モバイルアプリ(ブラウザ内メッセージの場合はWebサイト)をアクティブに利用しているユーザーへ送られる通知。アプリ利用中のユーザーに、注目してほしい情報を発信するための強力なツールと言えます。
一方で、アプリやゲームに没頭している最中に表示される無関係なポップアップはユーザーから好まれないため、IAM使用時には注意が必要です。
そこで本記事では、IAMの仕組みと効果的な使い方についてご紹介します。
IAM(アプリ内メッセージ)を始めよう
IAMは、幅広いクロスチャネルメッセージング戦略の一環として最も効果的な手法です。しかし、ここではわかりやすく説明するために、個別のIAMキャンペーンを作成するための基本事項に焦点を当ててご説明します。
IAMを送信するための基本的なステップは以下の通りです。
- メッセージの目的を決める
- 目的に応じたメッセージフォーマットを選択する
- ブランドのルック&フィールに合ったメッセージを作成する
- 適切なユーザーにメッセージを届ける
ステップ1
IAMの大きな特長は、その柔軟性です。ユーザーの活性化、エンゲージメントの向上、顧客のリテンション維持など、カスタマージャーニーのほぼすべてのポイントで使用できます。
ユーザーの後押しをする時やアプリの評価を促す時、新製品や新機能を宣伝する時にも利用できますが、これらはIAMが持つ可能性のほんの一部です。
IAMを利用するにあたって、まずどのプラットフォームを使用するか決定する必要があります。BrazeではIAMキャンペーンを①モバイルアプリ向け、②Webブラウザ向け、③両方を同時に作成、という3つから選択可能です。
モバイルユーザーがアプリ内で購入したものについて確認したい場合に最適なのはIAM。一方でWebユーザーにメールマガジンの購読を促す場合に最適なのは、ブラウザ内メッセージです。アプリとWeb両方のユーザー向けにメッセージを送信したい場合は、どちらにも同時に対応できるBrazeのインターフェースを利用しましょう。
ステップ2
次に決定すべきはIAMのフォーマットです。Brazeでは、すぐに使用できる3種類のIAMフォーマットが用意されており、HTML、CSS、Javascriptでカスタマイズできます。また、メッセージの表示形式をフルスクリーン、モーダル、スライドアップの3つから選択することも可能です。
画面全体にIAMの画像とオプションでテキストを表示します。これらは非常に強力ではありますが、ユーザー体験を妨げる可能性も高いため、工夫して利用しましょう。
例えば、緊急性の高いアラートや、特に宣伝したい新機能を発表する際には、フルスクリーンを選択することをおすすめします。
オーバーレイで画面全体を覆うものの、フルスクリーンよりも少し控えめに情報を表示する形式です。オーバーレイによって画面内に表示される他の情報よりもメッセージが目立つため、ユーザーの関心を惹きつけます。
こういった表示形式のメッセージは、ユーザーにコンバージョンを促すのに適しています。プロモーションの利用やユーザープロフィールの入力、Webサイトからのアプリダウンロードなどを促すのに最適です。
最も邪魔にならないメッセージの表示形式です。その名の通りアプリ画面の上部または下部から画面を遮ることなく情報をスライドさせるため、利用規約の更新など、あまり重要ではないお知らせの通知に使いましょう。
なお、Braze IAMの新しいフォーマットであるSimple Surveyテンプレートは、ユーザーの好みや属性、フィードバックをシームレスに収集する機能を有しています。今後のメッセージのパーソナライゼーションやリターゲティングへの使用が期待できます。(さらに進化したフォーマットを使いたい方は、「An In-Depth Look at In-App Messages」をご覧ください)
ステップ3
次は、メッセージのスタイルを決めましょう。IAMは、アプリやWebサイトのルック&フィールを反映した内容に統一すると効果的に伝わります。どの要素をIAMに反映させるかは、慎重に検討してください。
IAMのスタイルを簡単に整えたい場合は、Brazeのスタイリングオプションを使用しましょう。特にHTMLのスキルが高くない場合にはこちらを強くおすすめします。画像や色などを時間をかけずに追加・変更して、ブランドのイメージにマッチした内容に調整できます。
(TIPS:よく使う色をBrazeの「カラープロファイル」に保存しておくと、今後IAMをブランドの標準色に統一する際や、別途ダークモードを設定する際に便利です。)
さらにスタイリングオプションを活用したい場合は、BrazeでカスタムHTML IAMを作成しましょう。スタイリングの選択肢が広がり、埋め込みビデオやメールキャプチャフォームなど、メッセージにもっとインタラクティブな要素を導入できます。さらに、カスタムコードをインターフェース上でプレビューし、ユーザーにどのように表示されるかを確認することもできます。
ステップ4
IAMが完成したら、いつ誰に送信するのかを決めましょう。
IAMは、ユーザーのアクションに紐付けられます。そこで、どのアクションがどのメッセージを送信するトリガーになるのかを定義する必要があります。トリガーとなるアクションには、商品の購入やセッションの開始、プッシュメッセージの開封などが考えられます。
どのアクションをトリガーに定義すべきかは、想定されるユースケースを振り返って判断して下さい。例えば、ユーザーにアプリを評価してもらいたい場合は、商品の購入やユーザーの紹介などの重要なアクションが発生した時にトリガーを設定するべきです。これは、商品を購入するというアクティブな状態のユーザーは、アプリに良い評価をする可能性が高いためです。
また、ユーザーをセグメント化することでユーザーにより適した情報を提供し、こちらが望む行動につなげる可能性を高めることもできます。
例えば、すでにプッシュ配信に登録しているユーザーにプッシュ型のプライマーを送ったり、すでに購読料を支払っているユーザーに無料トライアルのオファーを送ったりすることは避けたいものです。適切なメッセージを適切な人に届けるために、送信対象となるユーザーはきちんと定義することを忘れないようにしてください。
まとめ
IAMは、最もエンゲージメントの高いユーザーに情報を届ける告知手段であり、あらゆるチャネルの中で最も高いインタラクション率を誇ります。
さらなる活用法について知りたい方は、「IAMとは何か、どのように機能するのか、そしてなぜ重要なのか」もご覧ください。この記事では、事例などを用いて、さらに掘り下げて説明しています。
ヘイリー・トロスト
Brazeのプロダクトマーケティングマネージャー。平日はCanvasで新しいコンテンツを作り、週末はハイキングやスキーを楽しむニューヨーカー。