Brazeは、みなさんが日頃体験する “残念な体験” をマーケティングクラウドで最高な体験へ変える支援を行っています。
本年3月8日(金)に、日本最大規模の公募広告賞である「第61回宣伝会議賞」の贈賞式が行われました。Brazeは、課題協賛企業として、「“残念な顧客体験” を “最高の顧客体験” に創り変える Braze の魅力が伝わるアイデア」の募集を行いました。
第61回目となる今回は、一般部門における29の課題に対し、586,915件のキャッチフレーズおよび、CMアイデアが集まり、Brazeの課題に対しては11,327件の作品が集まりました。
今回は、全586,915点の応募作品のなかから、優れたキャッチフレーズ・コピーに贈られるコピーゴールドを受賞された、株式会社オプト コミュニケーションデザイン部 コピーライター/クリエイティブ・プランナーの樫藤直也(かしふじ なおや)さんにインタビューをさせていただきました。
<受賞内容>
コピーゴールド
「愛犬を亡くした人に、
いつまでペットフードの広告を出し続けるんですか。」
<課題協賛企業>
Braze株式会社
<課題>
「“残念な顧客体験”を“最高の顧客体験”に創り変える Braze の魅力が伝わるアイデア」を考えてください!
ーー樫藤さんの普段のお仕事について教えてください。
株式会社オプトにて、デジタル媒体を介した商品やサービスの認知向上や、ファンづくりを目指した販促のプランニングをしています。具体的には、X(旧Twitter)やInstagramなどを用いたキャンペーン、Web上に配信する動画、メディアタイアップの企画などの広告を制作しています。
ーー長年、広告業界に従事されているのですか?
大学卒業後、新卒で紙媒体がメインの広告会社に入社しました。その後、制作会社やコンサルティング会社の編集部門にてコピーライター/編集ライターを経験し、2014年より、インターネット広告業界へ転職しました。コピーライター/クリエイティブ・プランナーとして日用品、金融商材を中心に、さまざまなクライアントのブランディングからダイレクトレスポンスのプロモーションに携わっています。
ーー宣伝会議賞に応募したきっかけは何ですか?
宣伝会議のコピーライター養成講座に通っていた頃、学んだことのアウトプットができればと応募したのが最初のきっかけです。7年ほどは毎年応募していましたが、受賞できず、その後しばらく応募しない期間がありました。再び応募しはじめたのは、30代半ばになってからです。仕事で忙しい日々を過ごすなか、「1本1本のコピーをおろそかにしてしまってる自分がいる」と気づいたのがきっかけでした。原点回帰しよう、しっかりコピーと向き合おうと思い、応募を再開しました。
ーーBrazeに応募したきっかけは?
今回の宣伝会議賞では、すべての課題に応募しようと、はじめから決めていました。ただ、30近い課題があるなかでも、Brazeさんのコピーを書いてるときの印象は今でもはっきり覚えてます。コピーを考えていた場所や時間帯、どんな体勢だったかも覚えています。恐らく、Brazeさんがインターネット広告業界ととても近しい存在で、課題にも私自身が大変共感していたため、とても印象に残ってるのだと思います。
ーー今回の受賞コピーを考えた背景や原体験を教えてください。
まず、Brazeさんのホームページの情報を穴が空くほど、見尽くしました。そして、気になったワードなどを自分のパソコンに転記していきました。Brazeさんのサービスは「ありとあらゆる顧客接点で、自社のサービスや商品を好きになってもらう」という幅広いサービスが特徴だと感じています。それを表面的ではなく、自分のなかにしっかり腹落ちさせることが目的でした。
このような情報整理を経て、「デジタルマーケティングやカスタマーマーケティングにおいて、好かれるか嫌われるかは紙一重」というコピーの方向性が、私のなかでみえてきました。
この方向性を私自身の実体験に置き換え、「最高にもなるし、1歩間違ったら残念にもなるシーン」は何かを考えました。私の場合は、長年ペットと暮らしてきたこともあり、自然とペットに関連するシーンをまずイメージしました。ペットと長く暮らしていると、別れのときがいつか必ず来ます。家族のような存在との別れを経験したときに、もう食べることも、遊ぶこともできないペットへの広告がたくさん表示されていたとしたら、悲しすぎるな、と思ったのです。そう感じたときに、自然と受賞したコピーの原型に近い言葉が頭のなかでできあがりました。
ーー今回受賞されたコピーのように、見る人の心に刺さる言葉を考えるときに工夫しているポイントはありますか?
私が大事にしているのは「私自身が何を感じたか」ということです。広告の仕事は主に、商品の魅力を伝えることですが、その広告に誇張や虚偽が無いことはもちろん、商品に対して私自身が何を感じたかを大事にしています。
例えば、商品やサービスのオリエンを受けて、ポジティブに感じる要素もあれば、ややネガティブ寄りに感じる要素もでてきます。私自身がネガティブに感じたことを、無理やりよく見せて伝えようとしても、きっとそれは相手にも伝わらないと思います。
しかし、私にとってネガティブに捉えられる要素も、届けたい相手を変えたり視点を変えることで、ポジティブに変えることもできます。この視点を変えることもコピーライターにとって重要となるため、日々意識しています。
ーーコピーゴールドに選ばれた際の心境はいかがでしたか?
ファイナリストに選ばれただけで光栄と感じていたなか、贈賞式にも参加できるなんて、天にも昇る気分でした。贈賞式に参加する以上、賞をいただける可能性はあると感じていながらも、シルバーで私の名前が呼ばれなかった時点でほぼ諦めていました...。そのため、コピーゴールドで私の名前が発表されたときは、とても驚きました!
名前が発表された瞬間、立ち上がった私の横で柿野さん(Braze社員)が満面の笑みで、ハイタッチを求めてきました。そこで、受賞したんだな、と初めて実感が湧きました。
ーー今回コピーを書くためにBrazeについて、相当調べたと思いますが、Brazeへ今後期待したいことを教えてください。
今回、私が書いたコピーのような体験を、ユーザーにさせないための機能をサービスに実装するのは、相当難しいことだと思っています。そもそもペットを亡くした、という状況を外部と共有できないと難しいためです。
ただ、ユーザーが実際そのような状況になったときに、その状況を把握するための手段はまだまだ考える余地があると思います。 追跡し過ぎるのも印象を悪くする原因になるため、ユーザーとちょうどいい距離感で、心地よいコミュニケーションを考えなければならないと身が引き締まる思いです。
ーー今回受賞されて、キャリアの方向性やコピーライターとしてさらに成長したいなど、新たな思いもあるかと思います。今後の抱負を教えてください。
一方通行ではなく、ユーザーが反応したいと感じる、共感できるコピーを考えていきたいです。
インターネット広告では、お客さまからのご注文やダウンロードなどのレスポンスを指標にしてコピーを考えるケースがありますが、見込み客に届ける場合、その考えが有効なときもあります。ただ届く相手によっては、一方通行のコミュニケーションになる可能性も考えなければなりません。
インターネットは、情報を発信するだけの場所ではなく、ユーザーと企業が対話できる場所でもあると思うため、ユーザーが反応したくなるような、問いを投げかけるコピーを考えられたら良いなと感じます。これからも、ユーザーとのコミュニケーションを大切にできるコピーを考えていきたいです。