マーケティングプログラムの成功は、チームの規模で決まるわけではありません。
Brazeでは「start anywhere, go everywhere (どこからでも始め、どこへでも進む)」というモットーを大切にしており、あらゆる規模のブランドが魅力的な顧客体験を作り始め、成長に応じてその取り組みを拡大できると信じています。
Brazeのシニアプロダクトマーケティングマネージャーであるヘイリー・トロストは、Lifesumのライフサイクルマーケティングマネージャーを務めるクリスティジャン・アルソフ氏と、KFCおよびピザハットトリニダード・トバゴのデジタル&eコマースマネージャーを務めるカーン・ラムロチャン氏と対談し、小規模チームがビジネスにもたらす大きな価値について探求しました。
LifesumとKFCトリニダード・トバゴの顧客エンゲージメントチームは、それぞれフルタイムの従業員が3人以下でありながら、過去数年間でいくつかの野心的な目標に取り組んできました。彼らが成功させたいくつかのキャンペーンと、小規模チームへのアドバイスを見ていきましょう。
Lifesumが実現するスマートでゲーム感覚のエンゲージメント
Lifesumの顧客エンゲージメント戦略は、ユーザーがアプリの機能を活用して、健康的な食習慣を築く手助けをすることに焦点を当てています。CRMチームはキャンペーンや戦略まで、すべてのフェーズを自分たちで実行するため、Brazeを使ったクリエイティブな方法を見つけるのが得意です。彼らのオンボーディングフローは、新しいユーザーをゲーム感覚で楽しくLifesumに導きます。
「成功のためのスターターキットキャンペーン」では、新しいユーザーのオンボーディング進捗を測定し、以下の重要なアクションを促します。フロー内のメッセージは、各ユーザーごとにパーソナライズされており、すでに達成した事、これから探索するべき事を確認できます。
KFCトリニダード・トバゴのチームは、Webhookを使用して「checklist_3meals >= 3」(カスタムイベントがトリガーされた回数を記録) のような新しいカスタム属性を作成しています。そして、Liquidパーソナライゼーションを使い、そのユーザー固有のカスタム属性に基づき、次のオンボーディングメッセージを調整しています。このオンボーディングフローは、ユーザーをアプリに誘導し、アプリ内での継続利用を促すため、メール、プッシュ通知、アプリ内メッセージを組み合わせています。
効率の良い運用の秘訣は、一見高度に見えるパーソナライゼーションを、シンプルなif/else条件ロジックを活用して実現している点にあります。また、Braze内でWebhookとキャンバスのユーザー更新ステップを使い、独自データを作成することで、エンジニアリングチームの作業時間を大幅に削減しました。これにより、クロスチャネルのオンボーディングキャンペーンがユーザーの重要なアクションを促進し、定着率が30日間向上しました。
KFCトリニダード・トバゴ、エンゲージメントとコンバージョンを強化
KFCトリニダード・トバゴは、100%デジタル化を進める中で、顧客理解を深め、質の高い体験の提供に努めています。年間計画では主要なキャンペーンに注力しながらも、新たなチャンスにも柔軟に対応できるよう工夫しており、その一環で誕生日キャンペーンが生まれました。
このキャンペーンは、誕生日情報を共有しているユーザーがわずか1%ほどであったことをきっかけに始まりました。チームはユーザーにプロフィールを更新してもらうため、このような新しいキャンペーンを計画しました。
チームが実施したこと:最初のキャンペーンでは、誕生日リワードを受け取るためにユーザーのプロフィール情報を更新するよう促すメッセージが送られました。さらに、プロフィールを更新しなかったユーザーには、追加インセンティブとして提携パートナーのオファーが提供されました。キャンペーン終了時には、顧客の20%がプロフィールを更新しました。
2回目のキャンペーンでは、初回の実施結果を踏まえ、パートナーオファーは削除され、リマインダーとしてインテリジェントタイミングを活用したプッシュ通知を追加しました。また、反応がなかったユーザーにはBraze オーディエンス連携を通じて、Facebook広告で再ターゲティングを行いました。その結果、現在35%以上のユーザーがプロフィールの更新を完了しています。
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少人数チーム向けの重要なポイント
カーン氏とクリスティジャン氏が少人数のカスタマーエンゲージメントチームに向けて以下のアドバイスを共有しました。
1. 適切なスキルを育成する
「まずは技術的なリソースを用意することが良いスタート」とカーン氏は述べ、クリスティジャン氏も「技術への”愛”が小規模なカスタマーエンゲージメントチームには不可欠である」と強調しています。
2. 学習リソースを活用する
カスタマーエンゲージメントやBrazeについて学ぶことは多くあります。2023年「Community Member of the Year」受賞者のクリスティジャン氏は、Brazeのコミュニティ「Braze Bonfire」の活用を強く推奨しています。また、Braze LearningやForgeなどのカスタマーイベント、ドキュメント、月次の製品更新ウェビナーも役立つと述べています。
3. ユーザーオンボーディングを優先する
LifesumやKFC トリニダード・トバゴの効果的なオンボーディングキャンペーンを紹介しましたが、カーン氏は「新しいユーザーをデジタルの場に歓迎し、提供するものの価値を伝えることを優先する」と推奨しています。顧客との関係を深めるための最初の取り組みは、長期的な利益に繋がります。
4. テストし、学び、適応する
少人数チームの利点は、新しいアイデアを迅速に実行できるところです。クリスティジャン氏は「既存のコミュニケーションと新しいものを比較テストし、真の効果を見極める」ことを勧めています。コントロールグループとの比較では、効果が(ほぼ)必ず確認できるからです。
5. 楽しむ!
最後に、カスタマーエンゲージメントのキャンペーンを楽しむこともおすすめします。リスクを取って学び続け、CRMの可能性を広げましょう。
最後に
顧客は、チームの規模には関心がありません。彼らが期待しているのは、ブランドの規模に関わらず、心地よく、記憶に残る体験です。適切なツール、戦略、そして前向きな姿勢さえあれば、少人数のチームでも大きなビジネス価値を生み出すことができます。
「How Small Organizations Drive Mighty Moments」についてさらに学びたい方は、Forgeオンデマンド(英語のみ)をご覧ください。