「キャッチ・ミー・イフ・ユー・カンヌ!」とは、必要なツールをすべて手にし、自在に活用しているマーケターの10人に1人が言うセリフです。* カンヌでは今週、効果と効率をテーマにしたトランスフォーメーションについての会議が開催されています。テクノロジーソリューションは、データの効率的な利用を可能にし、クリエイティブな仕事を拡大させつつ、測定可能で有意義な効果への責任も担っています。今年のクロアゼットの教訓をご紹介します。
「トランスフォーメーション」は、業界の流行語大賞の常連として顔を連ねています。しかし私の視点から見ると、現状はデジタルトランスフォーメーションからは遥かにかけ離れています。カンヌでは今週、効果と効率をテーマにしたトランスフォーメーションについての会議が開催されています。テクノロジーソリューションは、データの効率的な利用を可能にし、クリエイティブな仕事を拡大させつつ、測定可能で有意義な効果への責任も担っています。
カンヌライオンズはクリエイティビティの祭典です。私は長年、ここパレの会場でコラボレーションやキャンペーンがトロフィーを手にし、テクノロジーとクリエイティブが親和性を高める様子を見てきました。テクノロジーは、もはや単なる発想のきらびやかな仕掛けではなく、クリエイティブな成果を生み、増幅させる強力な道具であり、消費者を喜ばせることでブランドの収益を向上させています。
私の同僚で、Brazeの戦略的コンサルティング主任マリアム・アスマール(Mariam Asmar)は、代理店側での経験から、現状を明白に理解しています。「訴求力のあるブランドメッセージとROIのパフォーマンスが自然に重なり合うスイートスポットというものがあります。先進的なブランドや代理店はもはや、短期的な戦術で成果を挙げ、長期的なクリエイティブキャンペーンでブランドを構築するという戦術は取っていません」と彼女は言います。「私たちはデータに裏付けられたインサイトを共有して創造的思考を刺激することで従来のファネルを破壊し、テクノロジーはその結果生まれる優れたコラボレーションに掛け算で作用しています」。
私は今週、多くのソリューションパートナーに話を聞きましたが、ほとんどが同じ意見でした。誰もが、チャネル中心の考え方の延長で組織や仕事のプロセスが縦割り型になっている現状、そしてサードパーティデータに簡単にアクセスできる一方、課金によって参入しなければならないという状態から抜け出したいと考えているようです。Cookie後の世界では、サードパーティの蛇口は閉められ水滴のみとなり、ブランド独自のファーストパーティデータを最大限に活用するツールや専門知識に価値が置かれるようになります。Brazeは、当初からそのようなミッションを掲げきました。機敏性の高いストリーミングデータを活用して、顧客一人ひとりに何が重要かをリアルタイムに把握し、ビジネスを変革する弊社の能力が評価されたことを嬉しく思っています。
空港に向かう道中でBrazeの共同創業者兼CEOのビル・マグナソン(Bill Magnuson)と話したのですが、彼も議論の方向性が変わっていることに同意しました。しかし、顧客中心の考え方やテクノロジーの創造的な利用を制限する多くのサイロから解放されるには、まだ多くの進展が求められます。「多くの場合、さまざまな分野の専門性と特殊な才能を組み合わせると、イノベーションの成果は最も簡単に得られます。それでも、今週、耳にした多くの議論では、ブランドや代理店の経営者たちが一様に、カスタマーエンゲージメントをより高いレベルで考え始めていることが明らかになりました。彼らはチャネルやメディアを意図的に分けることなく、ビジネス目標と顧客ニーズがどこで交わるかに焦点を合わせています」とビルは言います。「クリエイティブなマーケティングチームは、Brazeなどの最先端テクノロジーと強固なデータ基盤による信頼性を活用することで、実験やクリエイティブに関するリスクをより上手に操れるでしょう。技術的な壁で創造性を阻害せず、顧客中心の戦略を実現する信念を持ち、ブランドにも顧客にも良い成果が自然に生み出されている様子を見ると、非常に刺激を受けます」。
今年、再び対面で開催されたこのイベントでは業界人たちが一同に集い、最高のクリエイティブワークを祝いました。ここで生み出されたエネルギーを絶やさぬようにしましょう。また「トランスフォーメーション」という言葉を安易に使うのはやめ、厳しくも報いの大きいコラボレーションを強調することで、効率と効果に責任を担っていきましょう。そして、創造性を強化し、業績向上の代わりに創造性を犠牲にすることがないようにしましょう。消費者はまさにその点を期待しています。そして私たちは今、限定期間だけでなく、常にそれを実現できるツールを手にしています。
*出典:WARC Marketer’s Toolkit 2021