LINEのカードタイプメッセージは、顧客に複数の商品・サービスの情報を同時に届けたいような場合に重宝する機能です。商品やサービスの魅力を視覚的に伝えられるなど、さまざまなメリットがあります。
この記事では、LINEのカードタイプメッセージの作り方やメリット、種類ごとの特徴や配信の流れなどを解説します。
1. LINEのカードタイプメッセージとは
LINEのカードタイプメッセージとは、カルーセル形式(スライドで動く複数のパネルカード形式)のメッセージを配信できる機能です。LINEのマーケティング向け機能の一つとして使われています。
1.1. カードタイプメッセージの概要
カードタイプメッセージの特徴は、一つのメッセージ内に多くの情報を集約できる点にあります。例えば、商品メニューA・B・Cの画像を提示し、最後のカードで「詳しく知りたい方はこちら」として一覧ページに誘導すれば、顧客に自社商品のイメージや世界観を素早く共有できます。
また、カードタイプメッセージには用途別に4種類のテンプレートが用意されているため、自社の目的に合わせて簡単に作成できるのも魅力です。
1.2. リッチメッセージとの違い
LINEには、カードタイプメッセージと同様にマーケティングに役立つメッセージ機能として、リッチメッセージと呼ばれる機能があります。両者の違いは以下の通りです。
メッセージ種別 | 特徴 |
カードタイプメッセージ |
|
リッチメッセージ |
|
多数の情報を同時に届けるならカードタイプメッセージを、必ず目を通してほしい情報を伝えたい場合はリッチメッセージを、と使い分けをするのがおすすめです。
リッチメッセージの詳細は以下で解説しています。
>>LINEの「リッチメッセージ」とは?活用メリットや作り方・配信まで徹底解説!
2. カードタイプメッセージの活用メリット
カードタイプメッセージをLINEマーケティングに活用するメリットを具体的に確認していきましょう。
2.1. 商品やサービスの魅力を視覚的に伝えられる
カードタイプメッセージでは、商品やサービスの魅力を画像も用いて伝えることができます。おいしい料理やおしゃれな洋服のような、テキストだけでの訴求が難しい商材も、視覚的にその魅力を届けられます。
2.2. 一度に複数の訴求ができる
一度に多数の情報を配信できるのもカードタイプメッセージの長所です。近隣のおすすめ賃貸物件情報をまとめて伝え、気になる物件の詳細を確認してもらうなど、複数のコンテンツの訴求を同時に行う際に重宝します。
2.3.ユーザー属性に合わせた効果的な配信が可能
カードタイプメッセージは、ユーザーが望む情報を取りこぼさずに届けやすい点でも優れています。また、ユーザーの属性から絞り込み、効果の期待できる任意の顧客層にのみアプローチをすることも可能です(LINE公式アカウントのターゲットリーチが100人以上いる場合)。
2.4. クリック分析で改善や戦略の見直しが可能
効果の測定が容易であるのもカードタイプメッセージの魅力です。配信時にはカードごとにクリック数とインプレッションが記録され、管理画面から簡単に確認できます。反応の悪いカードを速やかに差し替えることで、施策の質を高めていけます。
3. カードタイプメッセージの種類は4つ
カードタイプメッセージには4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。各タイプの概要や設定できる項目、活用例を見ていきましょう。
3.1. プロダクトタイプ
プロダクトタイプは、商品画像や価格、説明文などを記入できる、カードタイプメッセージでもっとも基本となる形式です。料金を含めて自慢のメニューを紹介するなど、商品やサービスの訴求に適しています。
【設定できる項目】
タグ
写真(必須)
カードタイトル(必須)
説明文
価格
アクション(※クリック後の動作)
【活用シーン例】
飲食店が料理メニューを紹介する
セール品や新商品、サービスなどを提案する
3.2. ロケーションタイプ
ロケーションタイプは、場所や建物を紹介するのに適した形式です。住所や位置情報を登録できるのが特徴で、クリック時にはGoogleマップへ遷移するようにも設定できます。
【設定できる項目】
タグ
写真(必須)
カードタイトル(必須)
住所&位置情報
追加情報(時間もしくは価格)
アクション
【活用シーン例】
実店舗の住所や位置情報、営業時間を伝える
近隣の賃貸物件情報や観光スポットを提案する
3.3.パーソンタイプ
パーソンタイプは、人物の紹介に便利な形式です。顔写真を大きく表示しつつ、人物の名前や説明を表示できます。
【設定できる項目】
写真(必須)
名前(必須)
タグ
説明文
アクション
【活用シーン例】
受講できる家庭教師を紹介する
在籍している美容院の先生(美容師)を紹介する
3.4. イメージタイプ
イメージタイプは、画像をメインコンテンツとして訴求する際に活躍する方式です。説明文などの設定項目がなくシンプルな構成で、写真が持つ魅力をストレートに伝えられます。
【設定できる項目】
タグ
写真(必須)
アクション
【活用シーン例】
視覚的な印象が大切なサービスを紹介する(例:ヘアカット、ネイル)
衣服の着用イメージを多様な角度から紹介する
4. カードタイプメッセージの作り方・配信方法
では、カードタイプメッセージの作り方と配信方法を見ていきましょう。
4.1. 管理画面から「カードタイプメッセージ」を作成
まず、LINE公式アカウントの管理画面LINE Official Account Managerにログインします。ログイン後は、左側のメニューより「メッセージアイテム」→「カードタイプメッセージ」と進み、中央の「メッセージを作成」を選択しましょう。
4.2. タイトルとカードタイプの選択
続いてタイトルを入力していきます。設定したタイトルは、プッシュ通知やチャットリストを介してユーザーにも表示されます。ここでは「テストメッセージ」としました。
タイトル入力後は、4種類のカードタイプを選択します。タイプ次第で項目は若干変わりますが、大まかな設定の流れは共通です。
今回は「プロダクトタイプ」を選び、カフェのメニュー紹介を想定して作っていきます。タイプの選択後は上記のような詳細画面が表示されました。
4.3. カードのデザインとレイアウトの設定
詳細画面の表示後は、左側のプレビューを見ながら、タグ(左上に表示されるテキスト)・写真・説明文・価格を順に設定していきます。
複雑な入力箇所はありませんが、画像は事前に準備したものを選択することになるため、上記の条件を確認しつつ用意しておきましょう。
価格まで入力したら、最後にアクションを設定します。アクションとは、カードをクリックした時の動作のことです。以下の5種類が選べるほか、設定しないこともできます(選べるアクションはカードタイプを問わず共通)。
【カードタイプメッセージのアクション】
URL:指定のリンクに移動
クーポン:クーポンの配布
ショップカード:ショップカードの表示
リサーチ:アンケートページへ移動
テキスト:指定の文章で返答
今回は「このようなコーヒーがメニューにあります」と簡潔に伝える目的であるため、アクションはなしとしましょう。これで1枚目のカードは完成です。
4.4. カードの追加・もっと見るカードの追加
2枚目以降のカードは、右上の「カードを追加」を選んだ後、同じ流れで作成します。上記はチーズケーキのカードをコーヒーと同様に設定したところです。
任意の枚数を用意した後は、最後に同じく右上のボタンから「もっと見るカード」の設定を開きます。もっと見るカードはカードタイプメッセージの締めとして最後に表示されるもので、カフェの例であれば店舗の公式ホームページのリンクを貼るなど、重要な役割を持たせることができます。
もっと見るカードの設定では、テンプレート画像を使わない「シンプル」か、任意の画像を用いる「写真」から選びます。ここでは「写真」を選択します。
ラベル(表示されるテキスト)には、「当店のメニューはこちら」としてリンク先に架空のURLを設定しました。問題がなければ、最後に下部の「保存」をクリックします。
4.5. メッセージを配信する
カードタイプメッセージの保存後は上記の画面が表示されるため、「メッセージで配信」を選びましょう。誤って閉じてしまった場合は、左側メニューから「カードタイプメッセージ」に進み、右側の「…」→「配信」と進むと同じ画面に戻れます。
最後に、配信先・配信日時・高度な設定を入力して配信手続きを取ります。配信先は、ターゲットリーチが100人以上いる場合はユーザーの属性で絞り込むことができますが、ここでは「すべての友だち」としました。
高度な設定では、「LINE VOOMに投稿」「配信メッセージ数」「A/Bテストを設定する」「キャンペーンを設定」の4種類の追加オプションを利用できます。必要なものがあればチェックを入れ、ページ内の「配信」のボタンを押せば完了です。
5. カードタイプメッセージの活用ポイント
カードタイプメッセージの活用では、ほかのLINEの機能との組み合わせを検討すると、より魅力的な訴求を実現しやすくなります。
例えば、LINE公式アカウントの友だち追加時に自動送信されるあいさつメッセージと組み合わせれば、上記のように自店舗に関心を持ってくれたユーザーへ機を逃さず自慢のメニューをアピールできます。
リッチメニューと組み合わせるなど、ほかにも活用方法は多彩です。いろいろな方法を試しながら、より効果的なアプローチを検討していきましょう。
6. Brazeを活用してLINE運用の最適化を
LINEを活用したマーケティングの実現に課題を抱えている場合は、マーケター支援ツールBrazeの導入をぜひご検討ください。
Brazeは、プラットフォーム内からのLINEを通じたメッセージ配信に対応しています。また、適切な送信タイミングやアプローチすべき顧客層に関して、AIの力も用いたインサイトを提供しています。Brazeを利用すれば、マーケターは、いつ・誰に・どのようなメッセージを配信すべきかと悩む必要はなくなります。
もちろん、LINE以外の顧客チャネルによるアプローチも可能です。既存のマーケティング資産を活かしつつ、次の手段としてLINEを活用することもできます。
Brazeの詳細をお知りになりたい場合や、マーケティングに関するご相談をお持ちの際は、以下のリンクよりお進みください。
7. まとめ
LINEのカードタイプメッセージは、複数の情報を顧客に訴求するのに向いたメッセージ形式です。複数の情報を一度に発信でき、効果の判断も容易なため、より効果的なマーケティングを実現できます。
LINEをマーケティングに活用する際は、ここでご紹介した内容を参考に、自社の目的に適したメッセージの作成に取り組んでみましょう。