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ロイヤルカスタマーの定義や重要性は?育成のメリットや役立つツールについても紹介

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/08/01

自社の収益を安定させてくれることから、正しく向き合いたい顧客層「ロイヤルカスタマー」。曖昧なイメージはあるものの、厳密な説明は難しいと感じる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、ロイヤルカスタマーの定義や優良顧客との違い、重要性やメリット、ロイヤルカスタマーを育てる方法や便利なツールをご紹介します。


1. ロイヤルカスタマーの定義とは

ロイヤルカスタマーとは、企業や企業の製品に愛着を持ち、売り上げに大きく貢献してくれる顧客のことです。定義や基準は企業ごとにさまざまですが、一般的には以下の特徴を兼ね備えた顧客をロイヤルカスタマーと呼びます。

  • 何度もリピート購入をしてくれるなど継続的な取引がある

  • 購買金額が多く、売り上げへの貢献度が高い

  • 顧客ロイヤルティ(自社やブランド、製品への愛着)が高く競合他社に流れにくい

  • 周囲の方に自社製品・サービスの魅力を伝えてくれる

競合よりも自社の製品を優先し、時に周囲への口コミ効果ももたらしてくれる。ロイヤルカスタマーは自社のファンともいうべき重要な存在です。

2. 優良顧客との違い

ロイヤルカスタマーと混同されやすい用語に「優良顧客」があります。

優良顧客とは、自社の売り上げに大きく貢献してくれる顧客のことです。ロイヤルカスタマーと優良顧客は同じ文脈で使われることも多いですが、厳密には「愛着(顧客ロイヤルティ)」を考慮するかどうかに違いがあります。

ロイヤルカスタマーは企業や製品に対して思い入れがあり、競合他社に流れにくいのが特徴。一方、優良顧客には必ずしもこのような愛着はなく、より良い製品が見つかれば簡単に離脱してしまう可能性があります。


3. ロイヤルカスタマーの重要性

ロイヤルカスタマーは当然重要な存在ですが、最近では「価格以外による競合他社との差別化」の観点からその価値が向上しています。

近年、消費者ニーズの多様化が進むなかでマスマーケティング(不特定多数の相手に同じように行う宣伝)の有効性が下がり、顧客視点を中心とした販売施策が求められています。また、安価な海外製品の登場により、低価格を強みに他社との差別化に挑む難易度が増しているのも特徴です。

顧客体験全般の向上を目指すロイヤルカスタマーの育成は、この現状の打開策となり得ます。低価格以外の魅力も提供し、ブランドが持つ世界観や理念にも共感してくれる強固な顧客層を確保することで、競合に対する優位性の確保や収益の安定化を実現できます。

4. ロイヤルカスタマーを育てるメリット

ロイヤルカスタマーの重要性を踏まえた上で、ロイヤルカスタマーを育てるメリットを深掘りしていきましょう。

新規顧客の獲得に繋がる

    ロイヤルカスタマーの育成は、一見するとリピーターにのみ焦点を当てる施策ですが、実は新規顧客の獲得にも役立ちます。ロイヤルカスタマーは、消費者の生の声として、周囲に良い口コミを広げてくれるためです。最近は一般人のSNSによる投稿も軽視できない集客効果を秘めており、副次的なメリットとなります。

    LTVの向上や安定した売り上げが期待できる

      ロイヤルカスタマーは、継続的に自社へ売り上げをもたらしてくれる存在です。その数を増やすことで、企業は安定して収益を確保しやすくなり、ビジネス上の重要指標であるLTV(ある顧客が生涯にどれだけの利益をもたらしてくれるか)の向上も期待できます。

      LTVの重要性や計算方法は以下の記事をご覧ください。

      >>LTV(ライフタイムバリュー)とは?重要性や計算方法、高める方法・ポイントについても紹介

      サービスの改善や品質の向上に繋がる

        自社に好感を持つロイヤルカスタマーは、満足度アンケートやインタビューにも積極的に参加してくれる傾向にあります。サービスの改善や製品の品質向上に向けた「お客さまの声」を収集しやすくなるのも、ロイヤルカスタマーを増やしていくメリットです。


        5. ロイヤルカスタマーを育成する方法

        ロイヤルカスタマーの育成では、以下の2つのプランが主流となります。

        • 「購買は多いが愛着がない顧客層」の愛着を伸ばす

        • 「購買は少ないが愛着はある顧客層」の購買を伸ばす

        これらを実現するための具体的な方法・流れを見ていきましょう。


        現状の顧客ロイヤルティを分析する

        最初の作業は顧客ロイヤルティの分析です。既存顧客に対してNPS®(自社や製品をどの程度人に勧めたいか11段階で評価させる指標)のアンケートを行い、一人ひとりの顧客ロイヤルティの強さを明確にします。

        あわせて、購買金額や頻度のデータも用いて、顧客を以下の4つのセグメントに分類しましょう。

        • 購買は多く愛着もある(ロイヤルカスタマー)

        • 購買は多いが愛着はない

        • 購買は少ないが愛着はある

        • 購買は少なく愛着もない

        顧客ロイヤルティとNPS®の詳細はそれぞれ以下で解説しています。

        >>NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用するには-顧客満足度との違いやメリットも解説

        >>顧客ロイヤルティの重要性とは?向上させるメリットや顧客満足度との違いについて解説


        ターゲット顧客を設定する

        顧客のセグメント化の後は、ロイヤルカスタマーへの成長を促す層、すなわちターゲット顧客の姿を明確にします。狙うべきは「購買は多いが愛着はない層」あるいは「購買は少ないが愛着はある層」です。統計を分析し、それぞれの層に見られる特性や属性(例:年齢や性別、家族構成や趣味嗜好など)を導き出しましょう。分析には、後ほどご紹介するBrazeのようなITツールを用いると簡単です。

        また、ターゲット像の明確化においては、カスタマージャーニーマップ(顧客の自社との出会いから製品の購入・利用後までの流れを可視化したもの)を作成し、ペルソナを仕上げていくことも有効です。カスタマージャーニーマップやペルソナについては以下で解説しています。

        >>カスタマージャーニー作成におけるペルソナ設定の方法やポイント・注意点とは

        エンゲージメントを高める施策を実施する

        ターゲット像の明確化の後は、具体的な取り組みに移ります。まずは「購買は多いが愛着はない層」のエンゲージメント(愛着、ロイヤルティとほぼ同じ意味)を高め、ロイヤルカスタマーに成長させる施策を検討しましょう。

        エンゲージメントを高めるための施策はビジネス形態や製品内容により異なりますが、以下のような方法が考えられます。

        • 会員ランクやランク別特典の提供(購買するほど優遇を受けられる)

        • 優良顧客だけが参加できる限定イベントのオファー

        • 「売り上げの○%を自動で寄付」といった購買だけで参加できる社会貢献

        • 新商品のモニターへの招待

        • 試供品の提供 など


        顧客体験(CX)の見直しを行う

        エンゲージメントを高める施策と並行して、「購買は少ないが愛着はある層」の購買を増やすための取り組みも行います。有効となるのは顧客体験(CX)全般の見直しです。前述のカスタマージャーニーマップを用いて、「なぜ愛着があるにも関わらず購買は少ないのか?」と顧客体験を見つめ直し、その改善策を検討しましょう。

        愛着はあるのに購買が少ない場合、以下のような理由が考えられます。

        • 購買プロセス(例:ECサイトの注文方法)が複雑で面倒

        • 配送方法や商品到着までの時間に課題がある

        • アップセル(上位商品の提案)が十分でない

        • クロスセル(同時購入に向いた製品の提案)が十分でない 

        • お得な購入プラン(例:ECサイトからの定期購入)が知られていない


        PDCAサイクルを回す

        顧客体験の見直しを進めた後は、定期的に各施策の効果を測定し、ここまでのすべての手順を繰り返します。全体の流れをPDCAサイクルとして繰り返すことで、常に時代に即した形でサービスを提供しやすくなり、ロイヤルカスタマーの数を拡大していけます。

        6. ロイヤルカスタマー育成に役立つツール

        ここまでの取り組みを着実に進めるためには、ITツールの活用がおすすめです。最後に、ロイヤルカスタマーの育成に役立つ3つのツールをご紹介します。

        CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)

          CRMは、顧客のさまざまな情報を一元管理し、自社との良好な関係を維持・強化するためのツールです。日本語では「顧客関係管理」などと訳されます。

          CRMの機能はサービスごとに異なりますが、通常は顧客の属性だけでなく商談や購買の履歴まで保管できます。ロイヤルカスタマー化を目指すセグメントの検討や、顧客体験の改善に向けた取り組みの管理に重宝します。

          MA(マーケティングオートメーション)

            MAはその名の通り、マーケティングに関する業務の自動化に役立つツールです。事前に設定したシナリオに沿って顧客とコミュニケーションを取れる(例:特定条件下のメールの自動送信)機能があり、ロイヤルカスタマー育成の一部業務を自動化できます。

            MAの詳細や導入のメリットは以下の記事でも解説しています。

            >>マーケティングオートメーション(MA)とは?基本機能や導入の流れやメリット・選び方について

            CEP(カスタマーエンゲージメントプラットフォーム)

              CEPは、顧客が自社や製品に対して抱く愛着(エンゲージメント)を高めるためのツールです。顧客情報の一元管理や自動的なアプローチなど、CRMやMAと類似した機能も搭載されていますが、より顧客の愛着の向上に注目しており、ロイヤルカスタマーの育成に適しています。

              例えば、CEPのBrazeでは「Sage AI by Braze」と呼ばれるAI機能により、各顧客に最適なマーケティングアプローチのタイミングを自動判断できます。顧客一人ひとりが「自分と向き合ってくれている企業だ」と愛着を抱きやすいコミュニケーションを半自動的に行えます。

              またBrazeでは、データを元にした顧客のセグメント化もシンプルな操作で行える上、ロイヤルカスタマー化を目指すべき顧客層の特定も楽々です。その詳細やデモ版のご請求、ロイヤルカスタマーを増やすための活用に関するご相談の際は、以下のリンクよりお進みください。

              >>Brazeへのお問い合わせはこちら

              7. まとめ

              ロイヤルカスタマーとは、自社や製品に対して愛着を持ち、売り上げに大きく貢献してくれる顧客のことです。ロイヤルカスタマーを適切に増やしていくことで、売り上げの安定化やリピーターの増加、新規顧客の獲得などが期待できます。

              ロイヤルカスタマーを増やす過程では、顧客のセグメント化やエンゲージメントを高めるための施策が重要となります。ぜひ、その作業のハードルを下げる解決策として、Brazeの導入をご検討ください。


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