OMO


O2Oの意味とは?OMOとの違いや実施メリット、成功事例について徹底解説

Team Braze 作成者: Team Braze 2023/08/03

ビジネスシーンでよく聞かれる「O2O」という言葉。しかし、いざその意味を説明しようとすると、自身が曖昧な認識であることに気がつく方も多いと思います。

この記事では、O2Oの意味や定義、「OMO」との違い、メリットとデメリット、手法や成功事例などをご紹介します。

1. O2Oとは

O2O(Online to Offline)とは「オンラインでの集客施策をオフラインでの購買行動につなげること」を意味するビジネス用語です。
例えば、SNSにて「店頭で使える割引クーポン」を配り、実店舗への訪問を促す施策などが挙げられます。

O2Oの最大の特徴は、最終的な購買行動がオフラインで行われる点です。オンラインでの購買行動を含む施策は、次のOMOなどの別の用語に分類されます。

2. OMO・オムニチャネルとの違い

ここでは、O2Oと関連して知っておくべき用語として「OMO」と「オムニチャネル」をご紹介します。

2.1. OMO

OMOは「Online Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)」の略称です。日本語では「オンラインとオフラインの融合」などと訳されます。

OMOは、顧客が両者の境目を意識する機会がないほどにオンラインとオフラインをシームレスに行き来できる仕組みや考え方を指します。O2Oとの違いは、購買行動の場がオンラインになり得る点です。

2.1. オムニチャネル

オムニチャネルは、顧客と自社(製品・サービス)の接点を増やし、購買機会の損失を防ごうとする考え方です。オンライン・オフラインを問わず「接点数を増やすこと」を主題としており、必ずオフラインが購買の場となるO2Oとは視点が異なります。

OMOやオムニチャネルの詳細については、以下の記事もご確認ください。
OMOとは?小売業界での重要性やオムニチャネルとの違い、導入事例についても紹介

3. O2Oが重要視されるようになった背景

近年O2Oに注目が集まっている理由には、以下の2点が挙げられます。

  • ネット環境(スマートフォンなど)の普及
    SNSやレビューサイトの発展もあり、気になるものはその場でスマートフォンから調べることが当たり前な時代になり、オンラインにおけるプロモーション施策の重要性が増している。

  • 実店舗の重要性の再確認
    ECサイトや通販からの購入が身近なものとなる一方、品物を実際に手に取り確かめられる、プロの販売員に意見を求められるなどの理由から、あらためて実店舗ならではの魅力が注目されている。

O2Oは、現代のビジネス課題に対する解決策の一つとも言い換えられるかもしれません。

4. O2Oを実施するメリット

続いて、O2Oを実施するメリットを見ていきましょう。

4.1. すぐに効果があらわれやすい

O2Oの施策の中には、効果が生じるまでの期間が短いものも多くあります。
例えば、前述のSNSによる店頭割引クーポン配布の例であれば、「1週間限定オファー」などと銘打つことで明日からでも多くの来客を期待できるでしょう。
チラシの配布や店頭看板の設置といったオフライン完結の施策とは異なるスピード感を期待できます。

4.2. 効果測定がしやすい

施策の効果測定や分析が容易であることもO2Oのメリットです。O2Oの施策ではデータの大部分をオンライン上で収集でき、そのままデジタルで扱えるため、利活用も簡単に進みます。上記の例であれば、「SNSの投稿へのアクション数(いいね、リツイートなど)」「クーポンの配布数」「店頭でのクーポンの使用数」といったデータを活用できるでしょう。

4.3. 一人ひとりに合わせたアプローチが可能

データ収集と効果測定のしやすさは、顧客一人ひとりに合わせたアプローチの実現にも役立ちます。同じく割引クーポンの例であれば、ユーザーを趣味や属性ごとに複数のセグメントに分け、それぞれが特に関心を抱くであろうメッセージを送るといった方法があります。

4.4. 新規顧客の獲得が期待できる

新規顧客の獲得に効果を発揮する点も、O2Oの見逃せないメリットです。オフラインの集客施策は地理的な制約のあるアクション(立て看板、近隣住民へのチラシ配布など)に限定されやすく、同じ相手に何度も宣伝をする形になりがちです。しかし、オンラインも活用するO2Oであれば、まだアプローチをしたことのない遠方の見込み顧客にもプロモーションを行えます。

5. O2Oを実施するデメリット

即効性や効果測定の容易さなどメリットの多いO2Oですが、デメリットとして客単価を上げるのが難しいことが挙げられます。

O2Oはオンラインからオフラインへ顧客を誘導するのが目的です。そのため、セール情報の通知や割引クーポンの配布といった、顧客がお店を訪れてみようと思えるほどの値引き系施策が主流になりやすい性質を持ちます。

「5,000円以上購入で1,000円引き」のように割引に条件を付けるなど、顧客を店頭に惹きつけつつ利益を十分に確保する工夫が必要です。

6. O2Oの手法

O2Oの手法
O2Oの手法

では、O2Oの具体的な実践方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な手法を5つご紹介します。

6.1. 実店舗とECサイトでの連携

実店舗とECサイトの連携は、O2Oの王道の手法です。ECサイトでの品切れ時に近隣店舗の在庫情報を表示したり、店頭在庫の予約(取り置き)をサイト内からできるようにしたりする方法が考えられます。このような施策の実践は、他社ECサイトに顧客を奪われる機会を減らすことにつながります。

6.2. SNSの活用

近年は、SNSを企業の宣伝の場に活用することも珍しくありません。自社の製品や投稿がいわゆる「バズる」ことに成功した場合、費用のかからない優れたプロモーションとなります。具体的な方策としては、自社アカウントやオリジナルキャラクターの運用、インフルエンサーへの依頼などを通じて新商品や割引キャンペーンの情報を消費者に拡散する方法があります。

6.3. アプリの利用

自社アプリの運用・活用もO2Oの優れた手法の一つです。アプリの場合、プッシュ通知の送信により顧客に情報をリアルタイムに通知できます。
そのため、例えばケーキ屋さんが廃棄を減らすために「今日の18時から限定セールを開催!」と宣伝するといった緊急性の高い集客にも活用できます。

プッシュ通知の仕組みや可能性については、以下の記事もご確認ください。
プッシュ通知の仕組みや種類にはどんなものがある?メリットや通知ポイントを紹介

6.4. QRコードの活用

O2Oはオンラインを通じてオフラインに顧客を誘導する考え方ですが、その起点を実店舗にすることもできます。代表例となるのはQRコードです。

例えば、レジの横にQRコードを設置し「LINE友達追加で割引クーポン配布中!」などと宣伝します。後日、QRコードから友達追加をした顧客にお得な情報を連絡すれば、店舗への再訪が期待できるでしょう。

6.5. 位置情報の利用

スマートフォンやタブレットの位置情報を活用することも、O2Oの有効な施策です。店舗の近くを通りがかった人に「今すぐ使える割引クーポン」をアプリのプッシュ通知で配布すれば、近未来的な顧客体験として喜んでもらえるはずです。なお、前準備として、あらかじめユーザーから位置情報取得の許可を得る必要がある点には注意しましょう。

7. O2O施策の成功事例

O2O施策に取り組み成功した企業事例をご紹介します。

7.1. 事例1

大手アパレルブランドでは、自社アプリとECサイトによりO2Oに成功しています。アプリを通じた割引クーポンの配布により、実店舗への来訪を促進。また、オンラインショップにある服はすべて店頭に取り寄せて購入できる仕組みを構築しています。日中の荷物受け取りが難しい社会人が勤務後に寄って帰るなど、ライフスタイルに合わせて購入できるように工夫されています。

7.2. 事例2

オーストラリア発のコーヒーチェーン「The Coffee Club」は、Brazeを用いた顧客データベースの活用活性化により、ロイヤルティ会員からの売上を35%増加させました。O2O施策として、アプリ起動やサイト訪問時に「誕生日記念フリードリンククーポン」を配布するなど、顧客情報に合わせたオンラインアプローチを実施。あわせて有料会員限定のスペシャルオファーを通知するなど、顧客を自社のファン化する取り組みを進めた結果、実店舗の売上向上に成功しています。

8. O2Oを成功させるためのポイント

最後に、O2Oの成功に向けて重要となるポイントをチェックしていきましょう。

8.1. チャネルを広げ顧客接点を増やす

O2Oの手法には、ECサイトの運営、SNSの活用、自社アプリの提供、QRコード&位置情報の利用など、さまざまな形があります。大切なのは、一つの施策に固執しないことです。複数の方向性を模索し、絶えず新たなチャネルを開拓して顧客接点を増やすことが、成功への近道となります。

8.2. 新規顧客とリピーターのバランスを意識する

O2Oは新規顧客の獲得に強みを発揮しやすい考え方です。反面、リピーターを増やす目的では、顧客体験の向上をより強く期待できるOMOの方が向いているケースもあります。新規獲得とリピーター増加のどちらを重視すべきフェーズなのか、自社の現状を把握し、本当にO2Oが最適な手段なのか検討してみましょう。

8.3. PDCAサイクルを回す

O2Oのメリットには、効果に即時性が期待できることと、効果の測定自体が容易なことが挙げられます。その恩恵を最大限に享受するためには、PDCAサイクルを素早く、何度も回していくことが大切です。散発的に施策を実行し、効果の分析も行わないのでは、O2Oの魅力を活かせません。

8.4. O2Oサービスを活用する

PDCAサイクルを素早く回すために役立つのがO2Oサービスです。O2Oサービスを活用すれば、デジタル分野に知見のない企業でも、プッシュ通知の送信などのIT施策を思い通りに実行できます。

Brazeは、直感的な操作が可能なUIを搭載したカスタマーエンゲージメントプラットフォームです。高度なITスキルを持たない方でも、O2Oに欠かせないオンラインからの顧客へのアプローチを簡単に実現できます。毎週決まった曜日に割引セール情報をプッシュ通知したり、最近店舗を訪れていない顧客へ限定オファーを送ったりと、その活用方法は自由自在。頭の中に秘めたO2Oアイデアの実践にぜひご活用ください。
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9. まとめ

O2Oは、オンラインで集客を行いオフラインでの購買行動につなげる考え方です。データ分析の容易さなどのメリットがありますが、その真価を発揮するためにはPDCAサイクルを何度も回していくことが求められます。

より確実で効果の高いO2O施策を実現するために、ぜひBrazeを活用したスピーディーな施策の展開をご検討ください。


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