モバイルマーケティング


プッシュ通知の開封率を上げるには?効果や開封率を上げる方法・成功事例を紹介

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/08/27

プッシュ通知はマーケターの主要な武器の一つですが、プッシュ通知によって開封率を高める方法は意外と知られていないものです。この記事では、プッシュ通知の開封率を上げる方法や成功事例、あらためて押さえておきたい効果や注意点などをご紹介します。

1. そもそもプッシュ通知とはなに?

    プッシュ通知とは、デバイス(スマートフォン・タブレット・パソコンなど)にメッセージを直接配信できる機能です。スマートフォンのロック画面に表示される短文のメッセージが身近な例で、マーケティング視点では、アプリやサイトを閉じている相手にもアプローチができる点に強みがあります。休眠顧客の掘り起こしやリアルタイムな情報配信に重宝します。

    また、プッシュ通知はメッセージをタップするだけでアプリやサイトが開くように設定できるため、ユーザー視点の体験という点でも優れています。

    2.プッシュ通知の仕組み

      プッシュ通知には複数の種類があり、それぞれ仕組みが異なります。

      例えば、iPhoneのプッシュ通知は「APNs(Apple Push Notification Service)」の仕組みを採用しています。この仕組みでは、ユーザーがiPhoneやアプリ上でプッシュ通知配信の許可を出すと、サーバーに「トークン」というデバイス識別情報が送信されます。広告配信者が送信リクエストをサーバーに出すと、サーバーがトークンを参考に指定のユーザーへプッシュ通知をお届けする仕組みです。

      iPhone以外のプッシュ通知の種類やそれぞれの仕組みに関しては、以下の記事もあわせてご覧ください。

      >>プッシュ通知の仕組みや種類にはどんなものがある?メリットや通知ポイントを紹介

      3. プッシュ通知にはどんな効果があるのか

      では、マーケティングにおけるプッシュ通知がどのような効果を持つのか確認していきましょう。

      3.1. リアルタイムな情報を提供できる

      プッシュ通知は情報配信の即時性に優れており、急遽開催が決定したセールの告知なども速やかに行えます。GPSと連携させ、自社店舗の近くを訪れたユーザーに「○○店で今すぐ使える割引クーポン」を配信して来店を促すなど、リアルタイムな顧客体験も提供可能です。

      3.2. 休眠ユーザーへのアプローチに効果的

        アプリやサイトを開いていない相手にも情報を配信できるプッシュ通知は、休眠ユーザーの掘り起こしに活躍します。「お久しぶりの方限定!1ヵ月無料キャンペーン」のように特典を付与したり、「○○に待望の新商品が登場!」などと新製品のプロモーションを行ったりと、多様なアプローチで復帰を促せます。

        3.3. ユーザーの離脱防止に繋がる

          そもそも休眠顧客にならないよう、ユーザーを繋ぎ止める方法としてもプッシュ通知は有効です。適切な配信頻度を見極める必要はありますが、定期的な情報送信は顧客のサービスに対する熱意の維持に役立ちます。ほかにも、解約・退会手続きをはじめたユーザーに限定割引情報を伝えて思い直してもらうなど、プッシュ通知は多様な形で活用できます。

          3.4. 顧客ロイヤルティが高まりやすい

            リアルタイムで魅力的な情報を配信できるプッシュ通知の活用は、顧客体験の改善に繋がり、顧客ロイヤルティの向上に寄与します。

            顧客ロイヤルティとは、「顧客が自社や製品に対して抱く愛情」のことです。顧客ロイヤルティが高まると、リピート顧客の増加や口コミ効果による新規顧客の獲得など、多様な恩恵が得られます。その重要性は以下の記事で解説しています。

            >>顧客ロイヤルティの重要性とは?向上させるメリットや顧客満足度との違いについて解説

            4. プッシュ通知の開封率を上げる方法

            プッシュ通知は便利なアプローチ手法ですが、やみくもに利用するだけでは成果は期待できません。ここでは、プッシュ通知の開封率を上げる方法をご紹介します。

            4.1. ユーザーニーズに合わせたプッシュ通知を活用する

            プッシュ通知には以下のような種類があり、ユーザーニーズに合わせて選択する必要があります。

                (例:目覚まし時計アプリのアラート)

                • リモートプッシュ通知:サーバーを介して送るオンラインの通知

                • ローカルプッシュ通知:デバイス内で完結するオフラインの通知

                (例:目覚まし時計アプリのアラート)

                • リッチプッシュ通知:文字だけでなく、画像や動画なども一緒に送れるプッシュ通知

                例えば、顧客の年齢層が高いサービスでは、絵文字や画像の多いリッチプッシュ通知を採用すると「ゴチャゴチャとしている」と反感を買うかもしれません。一方、若年層に対して文字のみで宣伝をすると「冷たい印象だ」と受け止められる可能性もあります。

                4.2. 内容が伝わりやすい、目に留まりやすいタイトルを考える

                プッシュ通知は、伝える情報が同じであっても、タイトル次第で印象や開封率が変わります。必要なのは、一目で方向性が伝わり、詳細を知りたいと思わせるタイトルです。「最新のお得情報はこちら」などではなく、「本日より冬物20%OFFセール開催中!」のような、開く前からおおよその内容が伝わるタイトルが適しています。

                  4.3. ユーザーが求めている情報は何か考える

                  魅力的なタイトルに惹かれて開封し、内容が期待外れであった場合、そのユーザーが再びプッシュ通知を開くことはないかもしれません。プッシュ通知の開封率を継続的に向上させるためには、ユーザーが有益だと感じる情報を厳選して伝える必要があります。自分が対象にならない割引や企業側の都合を優先したPR情報を伝えてしまうのは、よくある失敗例です。

                  4.4. データの分析を行いABテストを実施する

                  デジタルなアプローチ手段であるプッシュ通知には、開封率を含む各種指標を簡単に測定できる強みもあります。この強みを活かすために、データを活用しながら最適な配信の形を探りましょう。「開封率の高い顧客層は」「開封を期待できる曜日や時間帯は」などと分析を深めます。

                  また、タイトルやコンテンツも、A/Bテストで反応の良い形を確かめることで効率よく質を高めていけます。


                  5. プッシュ通知の開封率の改善策を実施する際の注意点

                  続いて、プッシュ通知の開封率を改善していく時の注意点をご紹介します。

                  5.1. ターゲットを明確にすることが大事

                    プッシュ通知はユーザーが求める情報を伝えるための手段ですが、全ユーザーに同じメッセージを配信しては不適切です。属性や過去の購買行動から顧客をセグメント化し、「今回はこのターゲットにこの情報を届けたい」と明確化したうえでアプローチしましょう。

                    5.2. ジャンルによって開封率が異なることを理解しておく

                    プッシュ通知の開封率はジャンルや業界によって差があり、自社の努力だけでは達成の難しいラインもあります。以下は、2019年にCleverTap社がジャンル別のプッシュ通知の開封率を調査した結果です。


                      ジャンル・業種

                      ジャンル・業種

                      開封率(平均CTR)

                      小売(Retail)

                      2.97%

                      公共・公益(Utilities)

                      2.72%

                      ビジネス・金融 (Business % Finance)

                      2.55%

                      教育 (Education)

                      2.10%

                      エンターテイメント (Entertainment)

                      1.92%

                      旅行 (Travel)

                      1.92%

                      医療 (Health)

                      1.60%

                      飲食 (Food)

                      1.36%

                      取引 (Deals)

                      1.33%

                      メディア・出版 (Media & Publishing)

                      1.31%

                      全体平均

                      2.25%

                      出典:CleverTap 「300B Push Notifications: User Engagement Insights」を参考に作成

                      もっとも開封率の良い小売業と、飲食やメディア・出版業界とでは倍以上の差が見られます。

                      5.3. 通知を送る回数や時間・曜日を考える

                      配信の回数やタイミング(曜日・時間帯)も開封率に影響します。配信頻度と時間帯別の「プッシュ通知からのアプリ起動率(事実上の開封率)」について、とある企業が行なった調査では、配信頻度では、1週間で購入回数を増やすプッシュ通知の頻度は「1日1回以上」と「週3回程度」といった調査結果がでています。また時間帯に関しては、配信が集中する時間の「12時」「18時」「20時」に対し、購入率が高まった時間は「8時」「9時」「17時」といったデータがでました。

                      しかし、業界や自社サービスの特徴、市場のトレンドによっても最適な方法は変わり、普遍的な正解はありません。大切なのは、測定したデータから、「自社にとって最適なプッシュ通知の配信方法」を継続して分析していくことです。

                      6. プッシュ通知の成功事例を3つ紹介

                      より具体的なイメージをつかむため、Brazeを用いてプッシュ通知の活用に成功したマーケティング事例を見ていきましょう。

                      6.1. メッセージ開封率増加を達成

                      株式会社サイバーエージェントの「Ameba」は、かつてはブログサービスとして一世を風靡しましたが、現在はマンガ配信や芸能ニュース、ゲーム情報の提供など、幅広いコンテンツを提供しています。しかし、サービス内容の拡大に伴いユーザーニーズが多様化しており、パーソナライズ戦略の重要性が高まっていました。

                      そこで、最適なプッシュ通知を届けるためのツールとしてBrazeを導入。顧客のセグメント化やLiquid機能(ユーザーの名前などをメッセージ内に組み込める機能)により、一人ひとりに適切なプッシュ通知を配信した結果、メッセージ開封率は124%も増加。サービスのDAUも102%成長しました。

                      >>Ameba、Braze を活用したパーソナライズ施策で、DAUの成長、メッセージ開封率増加を達成

                      6.2. Webプッシュ通知でエンゲージメントを促進

                      米国のストックカーレーシング企業である「NASCAR」は、BrazeによりWebプッシュ通知の開封率を13.5%にまで向上させた企業です。

                      同社では、「NASCAR.com」にてレースのライブ映像や結果、ニュースの配信を行っています。しかし、多くのユーザーが常にブラウザを開いてはいても、必ずしもNASCAR.comを開いてはおらず、重要なコンテンツの見逃しが発生しているのが課題でした。

                      そこで、Brazeを通じてWebプッシュ通知を最適な形で配信。画面の前にいるユーザーに、見逃せないコンテンツの情報をリアルタイムに伝えることで、サービスのエンゲージメントを高めています。

                      >>ASCARが、Brazeを導入しWebプッシュ通知でエンゲージメントを促進


                      6.3. リーチ可能なユーザーを36%拡大

                        世界40ヵ国以上で活躍するオンラインフードデリバリーサービスの「Delivery Hero」は、Brazeの活用によってiOSユーザーの増加に成功した企業です。

                        2019年当時、iOS 12のリリースにより、iOS端末への一通目のプッシュ通知はユーザーの許諾なしで送信できるように仕様が変更されました。そこで、Brazeを活用して同社の中東企業「Talabat」のユーザーのうち「iOS12以上でプッシュ通知を許可していない方」をターゲットに設定。アニメーションGIFつきのメッセージを送信し、今後のプッシュ通知配信の許可を求めた結果、リーチ可能なユーザーを36%拡大しました。

                        >>Delivery Heroが、Brazeを活用し「お試しプッシュ機能」でリーチ可能なユーザーを36%拡大


                        7. まとめ

                        プッシュ通知の開封率を高めるためには、ターゲットの明確化や配信頻度・タイミングの最適化が欠かせません。その手段として、Brazeの活用をぜひご検討ください。

                        Brazeでは、シンプルな操作で扱いやすい「顧客のセグメント機能」や「顧客への最適なアプローチタイミングをAIが分析する機能」を提供しています。プッシュ通知を用いたマーケティングの成功に向けて、まずは以下のリンクよりお問い合わせください。

                        >>Brazeへのお問い合わせはこちら


                        Team Braze

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