カスタマーエンゲージメント


カスタマーエンゲージメントの成功の秘訣に迫る

Team Braze 作成者: Team Braze 2024/03/26

カスタマーエンゲージメントの成功は何もないところでは起こりえません。 ブランドは、適切なカスタマーエンゲージメントツールと適切な戦略が必要です。 しかし、成功に導くための適切なプロセスを確保する必要もあります。

Brazeの年次イベントであるFORGE 2023で、私たちは、第一線で活躍する3人のマーケティング担当者と接する機会を得て、彼らのブランドの成功の秘訣であるカスタマーエンゲージメントのプロセスについて話を聞くことができました。

Etsy社 CRMテクニカルオペレーションマネージャーのBrianna Morris氏、La Presse社 マーケティングデータ消費者インサイト担当バイスプレジデントのGeoffrey Bernard氏、KFC社 カスタマーリテンションアナリストのSpencer Barber氏は、組織の規模が拡大するにつれて、付加価値を促進し、部門を超えたコラボレーションを強化、創造性とイノベーションをサポート、ワークフローを合理化するためのプロセスを構築、維持、反復してきたさまざまな方法を共有しました。(この会話は、長さと明瞭さのために編集されています。)

御社のブランドがカスタマーエンゲージメントで成功を収める鍵となるプロセスについて教えてください。

Etsy社 CRMテクニカルオペレーションマネージャーのBrianna Morris氏: 最も重要なプロセスは、四半期ごとに実施する標準化とナレッジトランスファー(特定の知識を持つ人から、その知識を求めている人に伝達すること)です。

特にチーム内にプロダクション部門がない場合は、チームとしてキャンペーンを構築する方法(ネーミング、セグメンテーション方法、QAプロセス、エスカレーションプランなど)の標準化だけでなく、標準的なプロジェクトのマイルストーンと役割分担も必要です。

KFC社 カスタマーリテンションアナリストのSpencer Barber氏:私は、部門横断的なパフォーマンス向上のためのイノベーションと合理化を推進し続けるために、事後のディスカッションが重要だと信じています。

また、プロセスの文書化にも力を入れています。私の経験では、物事は本当に素早く動くので、キャンペーンのセットアップ、コンバージョントラッキングの階層、レポート要件を標準化することは、チームにとって本当に大きな力になりました。

La Presse社 マーケティングデータ消費者インサイト担当バイスプレジデントのGeoffrey Bernard氏:私たちの成功の鍵は、マーケティング、技術、製品、広報など、さまざまな部門の人たちが、事前に定義された結果に対し、最前の取り組みを行うために組織された「Pod」として働くことが重要でした。

私たちは一緒にアイデアを出し合い、バックログにまとめ、公平な方法「ICE(インパクト、信頼性、容易性)スコアリングモデル(英語)」を活用してそれらのアイデアを採点し、多くのアイデアに、できるだけ早く取り組めるようにグループとして働いています。

カスタマーエンゲージメントに関して、プロセスと創造性のバランスについてどのように考えていますか?

Spencer氏:私はかつて、すべてのプロセスとプロジェクト管理システムを敬遠していました。

しかし、今となっては、どちらもなくてはやっていけません。チームを戦略、実行、分析の3つに分けることで、うまく機能しているのを実感しています。審査員、陪審員、実行者を兼任するのは難しいので、それぞれ専門の下部組織を持つことで、仕事を合理的に進めることができます。創造性は戦略チームから生まれますが、明確な目標があれば、実行チームはBrazeの機能( Action PathsExperiment Pathsなどを使用)を使って反復することができます。

明確な目標を持ってから始めることで、それぞれの分野で創造力を発揮することができるのです。

Geoffrey氏:私は以前、"プロセスは創造性を殺す "派でしたが、今はその真逆の立場です。「pod (ポッド)」として活動する私たちのプロセスは、組織がHiPPO病(データに基づいた意思決定をするのではなく、最も高給をもらっている人の意見に従うこと)に冒されるのを防いでいます。むしろ、全員にアイデアを出させることで、テスト、結果の評価、反復を非常に効率的に行えるようになりました。

Brianna氏:私は間違いなく、"プロセスが創造性を高める"派です。強力なプロセスがあれば、実験の機会を表面化させるのに役立つと考えています。プロセスは標準的なものであるべきですが、逸脱が起きないほど厳格なものであってはなりませんし、物事(目標、人材など)が変わったときには、プロセスが依然として理にかなっているかどうかを再検討すべきです。

効果的なプロセスがどのように実を結び、業績向上、効率化、顧客との関係強化につながったか、具体例を教えてください。

Geoffrey氏:はい、2019年以降、カスタマーエンゲージメントプロセスによって、約8万人の読者が、当社のニュース機関に対して金銭的な貢献をするようになりました。当社のコンテンツは無料で提供されているため、彼らは寄付をする必要はありませんし、寄付をすることでそれ以上の何かを得ることはありません。しかし、当社のカスタマーエンゲージメントプログラムと、私たちのチームが熟考を重ねたカスタマージャーニーの計画的な実装のおかげで、これらの読者が寄付をすることを決めたのです。

読者が寄付をしなければならないからではなく、寄付をしたいから寄付をしているのです。これは、私たちにとって、プログラムが機能している最高の証と言えるでしょう。

Brianna氏:カスタマーエンゲージメントの重要なプロセスとして、セグメンテーションが挙げられます。多くのマーケティング担当者は、優れたセグメンテーションが顧客体験だけでなく、ブランドのカスタマーエンゲージメントプログラム全体のパフォーマンスや健全性に与える影響を軽視しています。キャンペーンを誰に送るかだけでなく、キャンペーンを受け取るべきではないユーザーについても強気になることが重要です。指標を向上させ、そもそも特定のメッセージを望んでいないユーザーを排除し、全体的に配信性を高めることができるからです。

セグメンテーションによって、ユーザーにとって有益ではないフローからユーザーを取り除き、異なるオーディエンスに、より適したジャーニーを戦略的に作成することができます。

プロセスが崩壊しているかもしれない、あるいは改善する必要があるかもしれないという兆候や症状には、どのようなものがあるでしょうか?

Spencer氏:期限に間に合わないのは、ブランドのプロセスが崩壊している証拠です。これは通常、プログラムを次のレベルに引き上げるべき仕事が他の仕事に後回しにされたり、チームメンバーが一度に多くのことをやろうとしすぎたりすると起こります。

Brianna氏:「次のステップ」に混乱があったり、自分自身やチームが何ヶ所も同じ手順を繰り返していることに気づいたり、「雑だ 」と声を荒げたりするときです。これは通常、新しいチームメンバーのオンボーディングやオフボーディング、あるいは実験やQA中に新しい発見があったときに起こります。

Geoffrey氏:チームのモチベーション低下は重大な警告サインでしょう。その根本的な原因は、チームが達成不可能な結果に向かって取り組んでいるか、Podの中に腐ったリンゴがあることかもしれませんね。(英語には、腐ったリンゴは隣を腐らす(The rotten apple injures its neighbor)ということわざがある)

効果的なカスタマーエンゲージメントプロセスの構築と維持において、反復とテストはどのような役割を果たすのか教えてください。

Geoffrey氏:(反復とテストは) 中心的な存在です。何がうまくいくかはわからないが、それを解明するために素早くテストし、反復することで最高の集団になるという前提で、私たちの活動全体が回っています。

Brianna氏:私がCRMで最も重要なのは、何かをするための「完璧な」方法は決してひとつではないということです。すべてのプロセスはテストすることができますし、テストすべきだと思います。

「これがいつものやり方だ」というのが、決してすべてであってはならないのです。

Spencer氏:テストはシンプルで計算されたものにしましょう。変数が多すぎると、プログラムもビジネスも前に進みません。四半期ごとに「テストと学習」のカレンダーを作成することをお勧めします。2024年のカレンダーを前もって計画するのと同じように、「テストと学習」の取り組みをビジネス全体の目標に合わせるようにしましょう。

カスタマーエンゲージメントのための効果的なプロセスを導入する上で、どのような課題がありますか?

Brianna氏:カスタマーエンゲージメントプロセスを導入する際に発生しそうな課題は、導入、支持、普及、期待をうまく伝えることです。

世界で最高のプロセスを作っても、それを守らせる力がなければ、実施するのは非常に困難です。適切なプロセスを導入しない限り、プログラムの効果を測ることも、効果的に規模を拡大することもできません。

部門を超えた連携についての経験を聞かせていただけますか?

Spencer氏:もしロードマップが組織全体と一致していないと、優先順位の衝突に直面することになります。

サイロで仕事をするのは簡単ですが、私たちが役に立つと思ったのは、カスタマーエンゲージメントチームと開発/マーケティング技術チームの橋渡しをする専任のプロジェクトオーナーを置くことです。

Brianna氏:ステークホルダーやテクニカルパートナーとの調整は非常に重要です。

ステークホルダーに関しては、多くのことで合意する必要がありますが、特に納期、リスク管理のパラメータ、キャンペーンを受けられる顧客と受けられない顧客に関するベストプラクティス、そして編集作業の最終期日などです。

技術パートナーに関しては、エスカレーション計画、データのフォーマット、そして可能な場合はアラートに関して合意する必要があります。

チームがプロセスにおいて一貫性を保つための秘訣は何ですか?

Geoffrey氏:誰もが成果に関する説明責任を共有し、同じゴールを一緒に追いかけていると感じるべきだと思います。「それは私の仕事ではない」という態度は許されません。

ですから、新入社員を迎え入れるとき、彼らはすぐに、自分がチームの成功に直接貢献しているという感覚を得ることができるのです!

Spencer氏:プロセスにこだわることは難しいかもしれませんが、基礎を固め、チームに正直で革新的である自由を与えることが重要です。チームを信頼してください。チームに発言権を与えることは、長い道のりを歩む上で重要です。プロセスを忠実に守り、事後の議論で反復を見直してください。

Brianna氏:ステークホルダーと目標を一致させることは、特に自身でプロセスを強制する権限がない場合には、重要です。特にプロセスが潜在的なオーディエンスの規模が縮小される場合は、目標が競合することもあります。

オペレーションのロードマップを作成します。キャンペーンを計画するのと同様に、学習、オペレーション、およびイニシアチブをサポートするために必要なデータをマップ化します。

意見が一致しない場合は、プロセスをテストするための実験を実施します。

Brazeのようなカスタマーエンゲージメントプラットフォームを使用することで、カスタマーエンゲージメントプログラムのプロセスを合理化できる利点は何でしょうか?

Brianna氏:標準化、標準化、とにかく標準化です。物事を見つけやすくし、正確にセグメント化し、作成するのが簡単であればあるほど、チームはあなたが整列させたプロセスやベストプラクティスに従って物事を行う可能性が高まります。

Geoffrey氏Canvasを使ったマルチステップオートメーションと、独自に計算したシグナル、特性、属性と、Brazeのバリアント作成機能を組み合わせて活用することで、バリアントに対するパフォーマンスを測定できるようになりました。Spencer氏:データへのアクセスを民主化することで、Braze内の必要なデータにチームがアクセスできるようになりました。

カスタマーエンゲージメントプロセスの導入や改善に取り組んでいる人たちに、何かひとつアドバイスをお願いします。

Geoffrey氏:一人の仕事ではありません。各部門に適任者を見つけ、共通の成果を達成するために協力してもらうことが良いと思います。

Brianna氏:自分に余裕を持ちましょう。このようなプロセスの開発には思った以上に時間がかかり、チームの採用にはさらに時間がかかります。

そのための計画を立て、もし反発を受けるようなら、強力なビジネスケースを用意しましょう。そしてこれらのプロセスによって影響を受ける人たちが、導入前に参加していることを確認するのです。彼らから得られる洞察は非常に貴重であり、彼らも参加することで採用しやすくなるでしょう。

Spencer氏:カスタマーエンゲージメント戦略は、組織が効率的に計画を立てられるかどうかにかかっています。ピボットする準備ができていること、機敏であることが重要です。

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