セグメンテーションにおいて重要なのは、ユーザーを明確にカテゴリー分けすることです。これにより、ユーザーへさらにパーソナライズされた体験を提供でき、結果的にエンゲージメントの向上や収益の増加といったメリットにつながります。
本記事では、効果的なセグメンテーション戦略を導入して顧客個人それぞれに目を向けることに成功した企業の事例を、いくつかご紹介します。
Showmax社
Showmax社はストリーミング視聴者向けのコンテンツに焦点を当てることで、これまで以上に視聴者の関心を高めようと考えました。そこでBrazeの機能を活用し、パーソナライズされたメッセージを提供するための効果的なセグメンテーションシステムを構築したのです。
Showmax社は、以下の要素に基づいたさまざまなユーザーセグメントを作成しました。
- ライフサイクルステージ(新規ユーザー、既存ユーザーなどユーザーのステータスで分類)
- コンテンツの嗜好(600のジャンルに紐づけたメタデータタグを配置)
- ポイントインタイム(テレビシリーズの終了間近など注目の集まるコンテンツで分類)
- ユーザーの特性(使用デバイス、契約期間などを元に分類)
このようなデータに基づいた戦略により、ストリーミングサービスへの加入者数が204%、ROIが37%増加。また、獲得率も12%増加し、継続率は71%となりました。
Dots社
人気モバイルゲームメーカーDots社の課題は、既存ユーザーを離脱させずに新規プレイヤー数を増やし、さらにアプリ内での課金によって収益を増加させることでした。
そこでDots社は、各プレイヤーがクリアしたレベルや過去のコンバージョンに関する情報を追跡。それをもとに作成したユーザーセグメントによってアプリ内メッセージ(IAM)で配信されるプロモーションをプレイヤー個別に設定し、提供するコンテンツもそれに合わせて調整できるようにしました。
また、IAMから課金ページへディープリンクを行うことでスムーズに課金(購入)ができる導線を整えたのです。この戦略によって全ユーザーの平均生涯価値(LTV)が25%向上し、Dots社の総収益も33%増加しました。
Sephora SEA社
Sephora SEA社は、ユーザーがバーチャル上でメイクアップを試すことができるAR(拡張現実)体験や、VA(Virtual Artist)の普及を促進したいと計画。そこで始めたのが、プッシュ通知やコンテンツカード、アプリ内メッセージ(IAM)を活用したクロスチャネルメッセージングによる、VA紹介動画の配信キャンペーンです。
このキャンペーンのターゲットは、過去30日以内に化粧品のページを閲覧しているものの、VAを使用したことがないというユーザーです。このセグメントのユーザーには、プッシュ通知と VAについての 動画を強調したコンテンツカードが送信されます。このコンテンツカードをクリックしたユーザーには、VAの詳細へディープリンクを行ったIAM が送信されました。
一連のキャンペーンにより、VAの採用率は28%増加。ユーザーあたりの使用率が16%、VA全体のトラフィックも48%増加しました。
まとめ
セグメンテーション戦略によって、企業は顧客を細かく区分けでき、それぞれにより価値のあるコンテンツを提供できます。また、あらゆる種類のパーソナライゼーション機能、戦略に注力することで、顧客との関係を深め、エンゲージメントや収益の目標を達成できるのです。
セグメンテーション戦略の導入方法については、Brazeのダイナミックセグメンテーションに関する記事をご覧ください。
ジョーイ・ホロウェイ
メリーランド州を拠点に活動するコンテンツライター。ライティングをするか、本屋に入り浸るか、という生活を送っている。