経済がそれほど不安定でない場合でも、長期的な成長を目指す企業は大きな課題に直面しています。しかし、iOS 14 以降の世界では、どのようなデータが収集され、それがどのように取り扱われるかに関して、消費者の期待は高まっています。さらに、71%の消費者は、企業が収集したデータを使ってパーソナライズされ、タイムリーで適切なものであることを期待しています。こういった期待に応えられない企業は、強力で持続可能な成長を実現することが困難であることに気づくかもしれません。
昨今我々は、かつてないほど多くのデータを収集しており、2025年までに世界のデータ予測はなんと2倍の187ゼタバイト(ZB)に達すると予想されています。しかし、多くの企業はデータのサイロ化により、顧客が求める体験を実行できないでいます。では、どうすれば企業は、データプライバシー法や消費者の期待を無視することなく、効果的かつ柔軟な方法でこうした体験を実現できるのでしょうか。それは、データ統合の取り組みを正しく行うということが必要なのです。
そこで今回は、データ統合の過程で留意すべき点を紹介し、最高水準のデータ統合を実証する想定事例を通じ、技術チームと企業の技術基盤を最大限に活用する方法について紹介します。
データ統合を正しく行うために
データ統合には、さまざまな課題があります。多くの企業は、顧客エンゲージメントプログラムのためにさまざまなソリューションを使用しているため、コストがかかっています。また、たとえ満足のいくソリューションが見つかったとしても、データの再構築や既存の技術基盤を再利用する必要がある場合は特に、技術的な負債が発生する可能性があります。
また、ビジネスの成長と進化に合わせて拡張するための包括的な機能を備えていないソリューションに投資してしまった場合、厳しいビジネス環境において大きな問題となります。不確実な時代だからこそ、共に成長できる柔軟なプロダクト・ソリューション選定が必要なのです。これらの要素をバランスよく考慮するために、まず、顧客エンゲージメントデータのシームレスな統合を実現するにはどのような方法があるのかを探ってみましょう。
データ統合による購買と顧客維持の促進
架空の小売企業である Flash & Thread が、より多くの購入と顧客維持を実現するためにデータ統合を導入しようとしたとき、同社はそのビジョンを実現するためにデータ統合の成功が必要であることを認識しました。同社のロイヤルカスタマーに定期購入を促すためには、商品のサイズ、購入頻度、スタイルの好みなどに関する顧客データを活用する必要がありました。以下に、目標を達成するために同社が重視した3つのポイントをご紹介します。
1. あらゆる規模のストリーミングデータを活用する
理想を言えば、ブランドは、あらゆるソースからのあらゆるデータを、あらゆるフォーマットで簡単にアクティブ化できるプラットフォームを求めるべきでしょう。同社のマーケティング チームが、Braze を利用したどのメール キャンペーンが実際に新規購入を促進したかを判断するために着手したとき、データ エンジニアリング チームはSnowflakeデータウェアハウスを活用し、社内でマルチタッチアトリビューションモデルを構築しました。
しかし、すべてのユーザーが同じ金額を使うわけではないので、そのデータを使って予測ユーザー生涯価値(LTV)モデルを構築し、各キャンペーンのROIを最大化するためにどのユーザーをターゲットにすべきかを理解することも重要なことでした。これらすべてを実行するために、同社の技術チームはBrazeとSnowflakeの間でリアルタイムにデータをやり取りできるようにする必要がありましたが、幸いなことにそのために必要なものはすべて揃っていました。
データウェアハウスからBrazeへの直接データ接続であるBraze Cloud Data 取り込み機能機能を使用して、各ユーザーの傾向スコアをBrazeに自動でストリームすることができました。これにより、カスタムパイプラインの構築やスコアに関連するデータのストリームが不要になり、マーケティング担当者はノーコードのセグメンテーションとダイナミックなパーソナライゼーションによって、即座にアクションを起こすことができるようになりました。
2. テストを行い、測定し、最適化する
膨大なデータウェアハウスをマーケティングチームの手元に置くことは、単なる手始めに過ぎません。ツール同士の連携を確認したら、次はマーケティング担当者がエンゲージメントを次のレベルに引き上げる番です。Flash & Threadのマーケティングチームは、BrazeプラットフォームのCanvas Flowカスタマージャーニーオーケストレーションツールを使ってコンバージョンを向上させることに着手しました。Canvas FlowのAction Pathsコンポーネントを活用することで、エンジニアのサポートを必要とせずに、ユーザーの体験をより深くパーソナライズし、ユーザーに合わせたネクストアクションを作成することができました。
効果的なデータ統合により、企業は技術チームへの影響を最小限に抑えながら、こうしたレスポンスの良いカスタマージャーニーをより簡単に測定することができます。Flash & Threadのデータエンジニアリングチームは、Snowflakeデータウェアハウスを使用して、マーケティングチームがBrazeを使用したメールキャンペーンが実際に新規購入や定期購読を促進しているかを判断できるように設計された社内マルチタッチアトリビューションモデルを構築しました。
次に、Snowflakeデータ共有を使って、BrazeのメールエンゲージメントデータをSnowflake内で自動表示し、予測モデルの継続的な更新をサポートする双方向のフィードバックループを作成し、チームがその場で最適化を継続できるようにしました。
3. スケールと最高水準の顧客体験を犠牲にすることなく、技術チームへの依存を最小化する
顧客が期待するパーソナライズされた体験を提供するためには、効果的なデータ統合により、パフォーマンスを落とすことなく、スケールを優先させる必要があります。Flash & Threadのような新興企業にとって、10万人のユーザーと同じ品質のサービスとデータストリーミングパフォーマンスを、技術チームからの最小限のサポートで1億人のユーザーに対しても同様に提供できることは、心強いことでした。
データエンジニアリングチームによる作業のおかげで、Flash & Threadのマーケティングチームは、最も価値のあるメールキャンペーンに関連する予算配分を最大化し、見込み顧客のLTV傾向モデルを改善することができます。一貫性のあるブランド体験は、業務効率や時間、予算を犠牲にする必要がないことは明らかです。
まとめ
消費者の期待の高まりに応えようとするならば、まず、自社の製品にシームレスに統合され、マーケティング、エンジニアリング、ITの各チームが最も重要なデータを活用できるカスタマーエンゲージメント・プラットフォームを導入することから始めましょう。適切なソリューションを導入することで、不要なコストや技術的負担を軽減し、全体として高い収益と保持率を実現することができます。
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