リテール・eコマースのブランドにとって、マーケティングの状況は変わりつつあります。特に、InstagramやFacebookのようなサードパーティのCookieや獲得チャネルに頼って、オーディエンスを増やしてきた企業にとっては深刻です。AppleとGoogleがプライバシーに関するアップデートを行ったことで、サードパーティのCookieが時代遅れとなった結果、このアプローチは変わりつつあります。いわゆるサードパーティCookieの死は、デジタルメディアの最重要課題として広く認識されており、リテール・eコマースの分野全体に大きな影響を与えています。
Braze 2022リテールカスタマーエンゲージメントレビューによると、調査対象となったリテール・eコマースブランドの90%が、サードパーティCookieの廃止や、AppleのIDFAへの変更などのプライバシー関連の変化の結果、マーケティング予算の増加を計画しています。マーケティング担当者がより多額の投資を計画している分野の1つは、自社のファーストパーティデータです。ファーストパーティデータとは、オンラインアカウントを作成したり、SMSやEメールのマーケティングキャンペーンを受信することを選択したりするなど、顧客がブランドと関わる際に積極的に共有する情報のことです。
このような変化の中でサードパーティのデータに頼らずに成長を最大化したいのであれば、リテール・eコマースのブランドは、新しいアプローチを取ることがますます重要になってきます。匿名ユーザーは、ファーストパーティデータと新規ユーザーを増やす可能性を秘めているのです。
リテール・eコマースのカスタマーエンゲージメントにおける匿名ユーザーの役割
まず、あなたのブランドのユーザー層を思い浮かべてみてください。ユーザーの大多数に共通することは何か分かりますか?そう、彼らは無名のユーザーです。つまり、アカウントにログインせずにウェブサイトやアプリを閲覧しているユーザーなのです。これは、2019年11月から2021年2月にかけて実施された、100を超える人気のリテール・eコマースアプリを対象としたBrazeの調査によるものです。私たちが調査した25億人のアクティブユーザーのうち、既知のユーザーはわずか14%であることが分かりました。
つまり、これらの匿名ユーザーは、ただ流し見しているというわけではないのです。多くの場合、彼らは行動を起こし、お金を使っています。実際、ほぼすべてのウェブユーザー(92%)が匿名ユーザーであり、購買を行うユーザーの12%が匿名ユーザーであることが分かりました。それだけでなく、匿名ユーザーは既知のユーザーよりも、企業のウェブサイトを訪問したり、アプリを使用してから最初の1週間以内に購入する確率が58%高いのです。つまり、これらの重要な顧客を無視するのはとても勿体無いのです。
匿名ユーザーの活性化、収益化、リテンションのための戦略
現在のカスタマーエンゲージメント戦略で、匿名ユーザーを考慮していますか?もし考慮していなかったとしても、まだ大丈夫です。匿名ユーザーを取り込むことに価値があることは明らかですが、実際にはほとんどの(80%)匿名ユーザーは、彼らが愛用しているブランドからマーケティング支援を受けていません。
私たちの調査によれば、このような匿名ユーザーとエンゲージするために、たった1つのメッセージング・チャネルを使うだけで、購入の可能性を5.3倍高めることができます。これは貴社の収益に大きなプラスの影響を与える可能性があります。
でも、匿名ユーザーとのエンゲージメントをどのように始めたらいいのかわからないって?ここでは、匿名ユーザーとのエンゲージメントを始めるための4つのスマートな方法を紹介します:
#その1:ユーザーにフィードバックを求める
顧客のことをよく知れば、より良いサービスを提供することができます。そこで、まずは好きなテーマ、つまり自分自身について聞いてみましょう。簡単な調査やアンケートを行うことで、重要なファーストパーティデータを収集し、セグメンテーション戦略や今後のキャンペーンに役立てることができます。
顧客の名前以外にも、より深いパーソナライゼーションにつながる収集可能なデータポイントは何十とあり、匿名ユーザーがアカウントを作成したり、エンゲージメントを深めたりするきっかけとなるような体験を提供するのに役立ちます。
#その2:匿名ブラウザから、好みのチャネル(SMSマーケティング、Eメールマーケティング、ウェブプッシュ通知)にオプトインしてもらう
ブラウザ内メッセージ(IBM)やアプリ内メッセージ(IAM)を使って、匿名のブラウザに、アプリやウェブサイト以外の顧客にもリーチできる他のメッセージングチャネルで、ブランドに関連するアップデートを受け取ることを選択するよう促します。
さぁ、始めましょう!ウェブプッシュの導入準備、プッシュ通知の導入準備、Eメールマーケティングのオプトインの促進、SMSマーケティングのオプトインの確保に関するガイドをご覧ください。
#その3:IAMとIBMを使って、アカウント作成のメリットを説明する
ブランドのアカウントを作成するメリットは何でしょうか?購入履歴を記録したり、ポイントを獲得したり、注文に関する最新情報を受け取ったり、パーソナライズされたブラウジング体験を楽しんだり、欲しいものリストに商品を保存したり.... ブラウザ内またはアプリ内のメッセージングを使用して、ユーザーがアカウントを作成したいと思うようなメリットを伝えることは、顧客がアカウントを作成することを後押しすることができます。
#その4:バナーを活用して退出する前の匿名ブラウザに、特別オファーの利用を促す
匿名ユーザーが離脱する前に、例えば、以下のような5%オフのクーポンを表示させるなど、ブラウザ内メッセージを使用して、決済処理の完了を促しましょう。このアプローチにより、ユーザーを留まらせ、アカウント作成を促すことができます。
#匿名ユーザーを取り込むなら、今すぐに始めよう
顧客の最初の匿名セッションからの24時間は、ブランドが最大の影響を与えられるチャンスです。私たちは、最初の1日以内に行動を起こしたブランドは、ウェブユーザーとモバイルユーザーの両方で、購入までの時間が短縮されることを発見しました。
まとめ
今日のめまぐるしく変化するリテール・eコマース業界の状況に適応するために、ブランドは、匿名ユーザーに対してどのようにアプローチしているかを深く検討する必要があります。Brazeの調査によると、匿名ユーザーと長期的な関係を築くブランドは、強力なROIを達成し、全体的な業績を向上させることができています。詳細については、2022年カスタマーエンゲージメントレビューおよび2023年カスタマーエンゲージメントレビューをご覧ください。
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